研究課題/領域番号 |
19K12409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
石川 信博 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (00370312)
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研究分担者 |
渡邉 義見 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50231014)
三井 正 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (90343863)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 窒化ホウ素 / 窒化ケイ素 / 窒素化合物 / 酸化鉄還元 / 鉄析出 / カルシウムシリサイド / 酸化物三重点 / 炭素フリー / TEM内その場観察 / 電顕内その場観察 / 炭酸ガス無排出製錬反応 / ヘマタイト / シリカ |
研究開始時の研究の概要 |
現在の主たる製鉄法である高炉製鉄では二酸化炭素の大量排出が問題になっているため、二酸化炭素を全く発生しない反応系を利用して鉄鉱石から鉄を作ることを目的とする。その手段として透過電子顕微鏡内その場観察を出発点としてここから得た実験条件をバルクに展開し、環境負荷を大幅に低減する製鉄法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では炭素を含まない物質を使って二酸化炭素を発生させない製鉄法を開発することを目標とし、鉄を析出させる際に直接反応から二酸化炭素を発生させない物質を見いだすことに成功した。実際には、窒化ホウ素、窒化ケイ素で酸化鉄と接触させアルゴン雰囲気大気圧中でおおむね1150度以上に保持するだけで鉄を析出させることを見出した。また析出した鉄からはEPMAレベルであるが不純物もほとんど検出されず、生成した量もグラム単位で目視でも確認できるサイズの鉄を得ることができた。窒化物セラミックスで酸化鉄を還元するという熱力学的に奇異も思える現象であるが、他にも窒素を含む有機物でも同様の現象が起こることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで二酸化炭素を発生させない製鉄法として主に取り組まれていたのは水素を還元剤とするか、二酸化炭素の再利用法の開発であるがいずれも実現に課題が多い。本研究は炭素を含まない物質で酸化鉄の還元を起こす物質を探索することを目的とし、アルゴン雰囲気だが単に酸化鉄と窒化物セラミックスを接触させて一定温度に保つだけでグラム単位の鉄を得ることに成功した。ここから窒素が鍵になると考え窒素を含む有機物でも同様の手法で鉄を得ることに成功した。この結果はバイオマス製鉄の観点からも注目に値する。どれもこれまで全く注目されてこなかった還元剤、現象でありその詳細なメカニズムの解明は今後の課題である。
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