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魚類の拡散的アロモン初同定:抑制物質放出による外来魚の席巻仮説

研究課題

研究課題/領域番号 19K12419
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分64040:自然共生システム関連
研究機関琉球大学

研究代表者

佐藤 香織 (鶴井香織)  琉球大学, 農学部, 准教授 (00598344)

研究分担者 辻 瑞樹  琉球大学, 農学部, 教授 (20222135)
柏田 祥策  東洋大学, 生命科学部, 教授 (20370265)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード外来魚 / カダヤシ / アロモン / 水溶性化学物質 / 繁殖抑制 / 種間競争
研究開始時の研究の概要

生物が化学物質を拡散的に放出し同種・他種を抑制する現象は、植物ではアレロパシーとして知られる。しかし動物では、他種への影響が見過ごされてきた。本研究では、侵略的外来魚カダヤシのメスが水中に放出する抑制的物質の同種・他種への影響解明とその同定を目指す。まず、物質の生殖系・解毒系等への作用を解明するため、物質に暴露された同種メスの生殖腺重量、ホルモン濃度、遺伝子発現等を解析する。次に、物質の他種への抑制効果を濃縮物質の注射実験により評価する。最後に、活性物質を質量分析により同定する。本研究により、侵略的外来種席巻メカニズムの1つとして、他種抑制化学物質の放出の可能性を指摘できる。

研究成果の概要

同種や他種の個体の成長を化学物質の放出により促進・抑制させる現象をアレロパシーといい、植物では多くの事例がある。一方、動物では化学物質の環境中への放出を介した他個体の成長抑制についての知見は、社会性昆虫などの種内相互作用の例にほぼ限られる。カダヤシの成魚雌は、同種雌の成長や繁殖を抑制する水溶性の化学物質を放出するとされるが、他種への影響は不明であった。本研究の結果、カダヤシ成魚雌が放出する化学物質は、同種稚魚の成長と同種成魚の繁殖に負の影響を与えるだけでなく、他種(グッピー)の稚魚の生存率を低下させる可能性が示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究成果により、動物ではこれまで見過ごされていた「環境に放出する化学物質による種間競争」が魚類で発見された。このことにより、水中の生態系において、化学物質を介した種間相互作用も重要である可能性が見出された。カダヤシは世界的な侵略的外来種として知られ、旺盛な捕食行動により在来種を駆逐するなど生態系に悪影響を与えているとされる。カダヤシの放出物質がグッピーの稚魚の死亡率を上昇させたという本研究成果から、カダヤシのような侵略的外来魚は捕食だけでなく放出化学物質により在来生物を駆逐し席巻していったという可能性が浮上した。これらの発見は、水圏生態系の理解を深めることを通じ、外来生物問題解決に資する。

報告書

(1件)
  • 2023 研究成果報告書 ( PDF )

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2025-01-30  

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