研究課題/領域番号 |
19K12425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
深澤 圭太 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (90617101)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 野生動物 / 個体密度推定 / 標識再捕獲法 / ホームレンジ / 移流拡散方程式 / 知床半島 / ヒグマ / 活動中心 / 捕殺リスク / 空間標識再捕獲モデル / Fokker-Planck方程式 / 景観生態学 / 捕殺率 / 移動障壁 / site fidelity |
研究開始時の研究の概要 |
環境条件の不均一性がホームレンジの大きさや形状に与える影響を評価するため、新たなモデル「移流拡散方程式モデル」を開発する。このモデルは、動物の存在位置の確率の時間発展を記述したものである。開発したモデルを組み込んだ標識再捕獲法をクマ類などに適用し、手法の有効性とともにどのような環境要因がホームレンジの形状に影響を与えるかを定量的に明らかにする。さらに、既存の行政事業において得られた標識再捕獲データと駆除個体の個体識別データを収集し、移流拡散方程式モデルを応用した統計モデルによりホームレンジの形状だけでなく捕殺率の空間分布と環境依存性を同時に明らかにする方法を開発し、鳥獣管理への応用を検討する。
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研究成果の概要 |
野生動物のホームレンジの形状やサイズに影響を与える要因を明らかにすることは、動物の行動の理解のみならず、景観スケールの個体密度分布を知る上でとても重要である。本研究では、野生動物の行動プロセスとの関係が明確なホームレンジ形成のプロセスモデルを実装し、空間標識再捕獲モデルと組み合わせることで、不均一な景観において個体密度、景観の連結性、ホームレンジ中心への回帰の強さとそれに影響を与える要因を同時推定する統計モデルを開発し、知床半島におけるヒグマ標識再捕獲データに適用した。その結果、それぞれの要因に対して地形や土地利用、資源分布の異なる効果が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、野生動物の個体密度と個体レベルでの空間利用を統合的に分析するあらたな空間標識再捕獲モデルのアプローチを提案したものであり、これまで世界各地で実施されてきた個体密度推定を目的とした野生動物の標識再捕獲調査データから移流拡散方程式ベースの景観抵抗を推定した初の試みである。 本研究で開発した手法により、ゾーニング等の空間構造を明示した野生動物管理のモニタリングにおいて、個体密度だけでなく個体の移動範囲や死亡リスクの空間分布を考慮した分析・評価が可能となる。これまで評価が困難だった空間的な野生動物管理の成否を評価するための方法論として、幅広い活用が期待できる。
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