研究課題/領域番号 |
19K12437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
冨樫 聡 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究チーム長 (00740010)
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研究分担者 |
柴崎 直明 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70400588)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 地中熱 / 地下熱 / 未利用熱 / 地下空間 / 再生可能エネルギー / 自然エネルギー / 地球温暖化 / 産業遺構 / 地下水 / 地域熱供給 / 模型実験 / 蒸発潜熱 / 冷熱利用 / 環境調和技術 / 岩石 |
研究開始時の研究の概要 |
宇都宮市大谷町全域に散在する採石跡地は巨大地下空間を形成しており,一部の地下空間内の貯留水は水温10℃以下と非常に低温である。貯留水の冷熱源利用が期待されるものの,その低温化メカニズムが解明されていないため,持続的な熱源としての利用可能性が不明瞭な状況である。そこで本研究では,現地調査,数値解析,室内実験等による総合的検証に基づき,貯留水の低温化メカニズムを解明する。また,冷熱源としての貯留水の持続的利用を実現するため,再生可能熱源への転換技術の開発をおこなう。先例のない熱源である地下空間貯留水に着目し,安定的熱利用を実現するために研究成果の社会実装を目指す。
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研究成果の概要 |
大谷地域の地下空間貯留水を一斉観測した結果,半水没状態の地下空間で貯留水温の顕著な低温化が認められた。また,連続モニタリングを実施したサイトAにおいて熱収支の概略検討を行った結果,地下空間からの全損失熱量のうち98%が蒸発による損失熱量と評価されたため,大谷地域における地下空間貯留水の低温化において,貯留水の蒸発の影響は無視できないと判断した。さらに、連続モニタリング,熱収支解析,事業者ヒアリング等の結果から,大谷地域の地下空間貯留水は,冬期に冷却された外気が地下空間に流入して冷却源となる「顕熱プロセス」と,貯留水の蒸発によって水温低下が生じる「潜熱プロセス」により低温化すると推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果より,人為的な温度管理を行わない限り,地下空間内の貯留水の温度は自然状態まで上昇する可能性が高いことが明らかとなった。したがって,貯留水の温度管理が持続可能な事業継続のために不可欠であり,適切な地下空間利用を実現するために,研究成果を反映した事業者用ガイドランを取りまとめている。
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