研究課題/領域番号 |
19K12462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
平山 奈央子 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (30623847)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 参加型評価 / 湖沼流域管理 / 環境政策 / 水環境政策 / 住民参加 / 合意形成 / 流域保全 / 環境評価 / 共分散構造分析 |
研究開始時の研究の概要 |
現在,国内の湖沼では水質や生態系バランスの悪化,アオコの発生,水草やヒシ等の繁茂,外来動植物の増加などの課題がある。これらの課題を解決するために、住民,一次産業従事者,事業者,NPO,行政など多様な主体が湖沼の環境保全に参加する必要があり,各湖沼の保全計画中に参加の必要性が言及されている。しかし,評価段階における参加は限定的である。また、湖沼流域の現状に対する評価では観測データや専門家による評価に対して,異なる考えを持つ住民がいる。そのため、湖沼流域の現状に対する住民評価と評価に影響を与える要因、住民評価と専門家評価の差異がある項目について、今後の湖沼政策決定方法について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では,住民評価を踏まえた湖沼保全政策の検討を進めるために,湖沼流域の現状に対する住民評価と評価に影響を与える要因および住民評価と専門家評価の差異とその要因を明らかにすることを目的としている. 2022年度の成果として,琵琶湖流域と霞ヶ浦流域における流域や湖内の状態を「大変良い」~「大変悪い」の6段階と「わからない」の選択肢によって,評価を把握した.流域の自然環境について,湖内・湖辺域の環境,湖辺の植生,森林の状態,生物多様性について定量的に把握し,その結果を琵琶湖と霞ヶ浦の両流域で比較したところ,両湖沼で同様の傾向が見られた評価項目として,アオコやごみ,外来魚の状況を悪いと評価した回答者が比較的多かった.一方,霞ヶ浦の評価結果では10項目のうち,ほとんどの項目において約10%以下の回答者のみが「大変良い」「良い」と回答し,「どちらかと言うと良い」を含めると30-40%の回答者が比較的良い評価であった.琵琶湖の評価では項目によって評価が大きく異なっていた.具体的には,北湖や河川の水質については50%以上の回答者が比較的良いと回答したのに対し,南湖の水質や漁獲量について比較的良いと回答した割合は約20%であった.ただし,霞ヶ浦の水質についてはそれ以外の項目よりも比較的悪いと回答した割合が顕著に多かった.また,両流域とも「わからない」と回答した割合が比較的多く,項目によるこの割合の差異の理由についても検討する必要がある. 一方,評価に影響を与えると考えられる項目として,琵琶湖もしくは霞ヶ浦流域への関心や居住地域への愛着や人の繋がりについて把握したところ,霞ヶ浦流域の回答者の方が地域住民との結びつきを強く感じている傾向が見られた.今後の分析では,各湖沼流域の評価に影響を与える要因について,モデルを設定し,検証を行っていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたデータを収集済みであり,2023年度中に分析を終えられる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
収集したデータの分析を実施する.具体的には,まず収集したデータを用いてt検定などを行い,評価に影響を与える要因を抽出する.次に,アンケート調査設計時の仮説モデルを検証する.その結果,湖沼の違いによって評価構造の差異が異なる点や同様の傾向がみられる点について,その理由を考察する.
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