研究課題/領域番号 |
19K12478
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
尾崎 孝宏 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (00315392)
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研究分担者 |
風戸 真理 北星学園大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (90452292)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | モンゴル / 牧畜 / 生業 / 市場経済 / 商品化 / 変動プロセス / 牧畜戦略 / ポストコロナ / 古地名 / 産業 / モンゴル高原 |
研究開始時の研究の概要 |
2000年以降、牧畜社会では生業生産物の商品化を通じたグローバル経済への対応(脱生業化)が進行している。本研究課題は、「脱生業化により牧畜社会がグローバルな市場経済に組み込まれた現状において、牧畜社会の生業性と産業性はどこで均衡しうるのか?」を問う。モンゴル高原地域において文化人類学的な手法を用い、食(馬乳・ラクダ乳製品)、住(ゲル・畜糞)を対象として、内モンゴルとモンゴル国の比較研究を実施する。2019年度から2021年度までの3年間で実施し、3名の研究者が参加する。
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研究成果の概要 |
本研究課題の核心をなす学術的「問い」は、「脱生業化により牧畜社会がグローバルな市場経済に組み込まれた現状において、牧畜社会の生業性と産業性はどこで均衡しうるのか?」であり、当初計画では研究代表者・研究分担者および内モンゴルに拠点を有する研究協力者の計3名が2019~2021年度の3年間で実施し、脱生業化に伴って商品化が進んでいる生業生産物のうち食、住を対象として、内モンゴルとモンゴル国の比較研究を実施する予定であった。だがCOVID-19パンデミックの影響を受け、研究の主力を文献研究を通じた、モンゴル国および内モンゴルにおける過去100年程度の生業と産業の均衡点の変動プロセスの復元に絞った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、途中COVID-19パンデミックに現地調査を阻まれて1年の延長を余儀なくされたものの、逆にパンデミックという社会的災害を経て牧畜社会の生業性と産業性の均衡点が移動する様子を記録することに成功した。また、社会主義時代など過去の資料の分析を通じ、脱生業化以前にも生業性と産業性の均衡点が存在してきたことを明らかにできた点に学術的意義がある。本研究の社会的意義としては、歴史的に均衡点が存在したことが牧畜社会の持続可能性をもたらしてきたことを示し、さらに乾燥地域の環境に適応した牧畜が今後も継続するために不可欠な実証的データを提供することで、現地社会の持続性や安定に寄与する点が挙げられる。
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