研究課題/領域番号 |
19K12480
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
堀内 賢志 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (80329052)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ロシア極東地域 / 東方シフト / 地域政策 / 中央地方関係 / ロシア / 極東地域 / 地域開発 / 日露協力 / 経済特区 / 大ユーラシア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ロシア極東地域開発を具体的な対象として、地域発展を促すような中央地方関係と地域政策のあり方を明らかにするものである。この目的に従って、次の3つの課題を遂行する。①ロシア極東開発省によって策定された、TORおよび自由港をはじめとする極東地域開発の諸政策の実施状況を把握する。②極東地域開発小委員会、極東開発省、極東地域の各地方政府という、各政策主体、およびこれらの連携関係が、上記開発政策の実施において果たしている役割を把握・分析する。③上記の開発政策の実施状況の中でも、特に日本をはじめとするアジア太平洋諸国との協力に関わる事業が効果的に進展しているかどうかについて調査・分析を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は、前年度に引き続き、ウクライナ侵攻後における「東方シフト」政策、すなわち極東地域開発とアジア太平洋諸国との関係強化に関して、その進捗状況の把握と分析に努めた。 「東方シフト」は、ウクライナ侵攻下における欧州との関係悪化と貿易・投資減に促され、より強化される傾向にある。特に近年力が入れられているのは、極東地域(および北極圏)の人口定着や移住を促すための制度形成や社会インフラ整備の取り組みである。低利の住宅ローンのための補助や住宅建設業者への特区居住企業のステイタス付与、極東地域25都市の社会インフラ整備マスタープランの作成などである。ウクライナ侵攻後の極東地域では軍需品と考えられる機械生産の急速な伸びが見られ、極東地域軍需生産を促すため軍需企業に税制上の優遇措置を与える措置も導入されるなど、極東開発がウクライナ侵攻と直接結びつくようにもなっている。極東地域開発は社会政策や国家レベルの戦略とより結びつく傾向にあったが、侵攻後この傾向がさらに強まっている。 極東地域開発に向けた国際協力においては、日本や韓国との協力が停滞する一方、中国、インド、東南アジア諸国などとの協力強化の取り組みが強まっている。とりわけ近年のロシアの貿易額における中国のシェアの増大は著しく、これをさらに促すべく、中露国境の鉄道橋・道路橋や穀物ターミナルなど、国境インフラの整備が急ピッチで進められた。さらに、特定の国との二国間協定を伴う形で、税制上の優遇措置や輸入関税免除などを認める、国際的な特区制度が形成された。ただし、そうしたアジア諸国との貿易拡大における輸送能力のボトルネックの問題は克服されていない。とりわけ、極東・シベリア地域の鉄道網整備計画の進捗は思わしくなく、モンゴル、中国への天然ガス輸送拡大のための「シベリアの力2」の建設にも目途が付かない状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年以降コロナウイルスの感染拡大のためロシアに渡航できない状態であったが、2022年2月からのロシアによるウクライナ侵攻に伴って外務省のロシア渡航自粛要請が出され、引き続きロシアでの現地調査ができない状態にある。また、侵攻開始に伴い、ロシアの中央・地方の政府機関のウェブサイトに日本からアクセスが困難な状況にもなり、また公式貿易統計も発表がなされないなど、研究に必要な情報の入手が困難な状況が依然として続いている。
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今後の研究の推進方策 |
ロシアでの現地調査が困難な状況は当面続く可能性が高い。ロシアその他の研究者との協力などを通じて、代替的な情報・資料収集を引き続き強化する。
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