研究課題/領域番号 |
19K12481
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 尚美学園大学 (2023) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
尾立 要子 尚美学園大学, 総合政策学部, 非常勤教員 (30401433)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ニューカレドニア / 周辺からの共和主義 / 脱植民地化 / 周辺と中央の関係 / 地域研究 / エメ・セゼール / フランス海外領土政策 / 独立問題 / レファレンダム / フランス / トランスナショナル / 国際関係論 / 政治学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,1980年代に独立をめぐって激しい対立が引き起されたニューカレドニアにおいて、2018年11月に,ほぼ平穏のうちに独立をめぐるレファレンダムが行われるに至る、ほぼ30年間の政策過程を検証し、対立が緩和された経過を明らかにすることを目指すものである。研究は主にフランス公文書館における文書調査と、当時の政策担当者およびニューカレドニアの政治アクターおよび住民へのインタビューによって行う。 これによって自治や独立を求める地域と中央政府の対立という、世界の各地で起こっていて,日本も無縁とはいえない問題の解決のための知見を得ることを目指す。
|
研究成果の概要 |
仏領南太平洋ニューカレドニアの脱植民地化に関して、公文書の閲覧と政治アクターへの聞き取りから得られた知見に考察を重ね、1988年のマティニオン協定以降のニューカレドニアにおける先住民と移住者との対立状態からの関係回復、政治的社会的安定の実現の過程の詳細を、「投票の役割」に注目しつつ組み立て直し、『周辺からの共和主義:「天国に一番近い島」の現在』(大阪公立大学出版会2023年)として出版した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニューカレドニアに関する先行研究としては、その歴史を記述したFrederic Angleviel、南太平洋におけるフランスのプレゼンスに焦点をあてたSarah Mohamed-GaillardやNathalie Mrgudvicの研究があり、日本では江戸淳子がカナク人のアイデンティティを紹介しているが、本研究のように対立の解消過程に焦点をあてたものはない。 本研究は、単なる過去の事例研究ではなく、現在も続く大きな問題である地域と中央の対立、あるいは自治要求を伴う地域内での集団間対立への解決策を示唆しうる点に、その創造性が期待できる。
|