研究課題/領域番号 |
19K12496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡部 恭宜 東北大学, 法学研究科, 教授 (00511445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 国際開発ボランティア / グローバルヒストリー / 青年海外協力隊 / 米国平和部隊 / アイデアの伝播 / 韓国 / ノルウェー / 英国 / 国際ボランティア / 開発協力 / 諸外国の国際ボランティア事業 / JICA / アイデア / FK-Norway / VSO / 平和部隊 / KOICA / Norec |
研究開始時の研究の概要 |
国際開発ボランティア事業は、普及し始めた1960年代当時は新規な事業であり、各国の経済規模や市民社会の程度も異なっていたにもかかわらず、欧米で急速に普及し、90年代以降はアジアにも広がった。他方で、事業によって目的や実施機関に違いも生じた。 本研究の目的は、普及の起源とその過程を描き出すことにある。仮説として、米国平和部隊の創設が理念として各国の政府や市民団体に共有された結果、多くの国で類似事業が設立されたが、設立過程では国際関係や国内社会情勢の影響により目的や実施機関の点で違いが生じたと想定する。分析事例は日本、韓国、米国、英国、ノルウェーの事業であり、文献・聞き取り調査を行う計画である。
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研究成果の概要 |
国際開発ボランティア事業は、1960年代から欧米諸国や日本で普及した事業であり、1990年代以降はアジア諸国にも広がった。本研究は、この事業がなぜ、どのように普及したのか、特に米国平和部隊の創設はどのように影響したのか、事業の実施形態の違いの原因は何か、という問題設定を行い分析を行った。事例は日本の青年海外協力隊、米国平和部隊、ノルウェーNorec、英国VSO、韓国WFK-KOVである。 分析結果は次の通り。(1)米国平和部隊の創設が一種のモデルとなり、そのアイデア(理念)が各国に伝播していった。(2)各国の国際・国内要因(途上国との関係、国家・社会関係)も創設過程および実施形態に影響した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際開発ボランティア事業は、多くの国々が実施している援助の一種であるが、国民参加の開発協力である点で、グローバルな市民社会の形成に寄与するものである。また人と人の関係の中で行われることから国際交流や相互理解、さらにボランティアのキャリア育成にも資する。日本での協力隊経験者は5万人以上に上る。 このような性質を持つ国際開発ボランティア事業について、その歴史を探求し、比較分析した本研究の成果は、学術的にはボランティア論、開発学、国際政治学、グローバルヒストリーに示唆を与えることができよう。また、同事業は社会に根ざし、人々の関心が高いことから、本研究は高い社会的意義を有している。
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