研究課題/領域番号 |
19K12500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
大野 旭 (楊海英) 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (40278651)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ウイグル / 新疆 / ジェノサイド / 中央アジア / ウズベキスタン / カザフスタン / 民族問題 / 区域自治 / 清朝 / 民族自治 / 新疆ウイグル自治区 / 反テロ政策 / 一対一路政策 / 新疆のモンゴル / 内モンゴル自治区 / 言語政策 / 同化政策 / カザフ / ウイグル民族問題 / 中国の民族問題 / 民族自決 / 中国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は中国がいうところの「新疆」の形成をめぐる歴史的言説を再検証し、そのうえで、新疆ウイグル自治区で勃発しているウイグル民族問題の歴史的由来と性質、現状について民族学的考察を加える。再検証と実態考察にあたっては、1884年の清朝による新疆省設置から1949年までを「新疆省期」、1949年から1976年までを「民族自治区期」、1976年から現在までを「民族問題勃発期」と可視化する。民族問題というローカルな地域紛争の歴史的変遷と現状について調査する際にはまた国際関係との関連性にも配慮する。歴史と国際関係との連動に着手することで、新たな知見を構築し、グローバル・ヒストリー研究の進展に貢献する。
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研究成果の概要 |
ウイグル人など中央アジアの人々がいう東トルキスタンをいつ、どういう経緯で「新疆」と呼ばれるようになったのか。「新しい疆域即ち領土」としての新疆が出現したことでどんな民族問題が発生したのか。こうした疑問について答えようとして、本研究は歴史人類学の視点から進められてきた。東トルキスタンを新疆にしたのは満洲人の清朝時代のことで、ウイグル人は清朝の臣民として高度の自治を享受していた。清朝が崩壊すると、この地の住民は独立建国を目指したものの、国際関係との関連で失敗した。中華人民共和国はウイグル人の権利を否定したことで、民族問題は激化した。こうした近現代史について、中央アジアの視点から解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
民族問題は国際問題である。とりわけ隣国の中国で勃発している民族問題はどれも日本と何らかの形で連動している。新疆ウイグル自治区におけるウイグル民族問題は、その典型的な事例である。日本の数多くの企業が新疆と繋がっているだけでなく、文化・歴史の面でも、いわゆるシルクロードを通して新疆と関連性を有している。新疆の民族問題に関する本研究は、日本が国際社会で建設的な役割を果たすのに有用である。
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