研究課題/領域番号 |
19K12501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 国立民族学博物館 (2021-2022) 京都大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
市野 進一郎 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 特任助教 (30402754)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | タマリンド / 導入植物 / 起源地 / マダガスカル / アフリカ / キツネザル / DNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、熱帯地域に広く生育する有用果樹であるタマリンドの起源地とそのマダガスカルへの移入経路を解明することである。起源地としては、アフリカ大陸、インド、マダガスカルの3つの仮説が提唱されているが、現時点で結論は出ていない。本研究では、葉緑体DNAと核DNAの遺伝的変異をこれら3地域で比較することで起源地を推定するとともに、各地の地域集団間の遺伝的類似度からタマリンドがどのような経路でマダガスカルや他の地域に広がったかを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、熱帯地域に広く生育する有用果樹であるタマリンドの起源地とそのマダガスカルへの移入経路を解明することを目的として、マダガスカルおよび関連地域における現地調査とDNA多型解析をおこなっている。今年度は8月頃にマダガスカルでの現地調査を予定していたが、その時点でマダガスカルを含むアフリカ地域には外務省による感染症危険情報レベル3が発出されており、現地調査を断念せざるを得なかった。そこで、次年度の現地調査に向けて、アンタナナリヴ大学との協議を継続しておこなった。さらに、現地調査の実施が難しい場合に備えて、試料の採取と日本への発送を現地の共同研究者に依頼することが可能であるか検討を始めた。 今年度に感染症危険情報レベルが引き下げられた国のうち、調査が可能と判断したタイとオーストラリアで現地調査を実施した。タイでは、バンコクおよび周辺地域においてタマリンドの分布に関する調査と情報収集をおこなった。このうち、スパンブリー県およびアユタヤ県で、タマリンドの巨大木を観察でき、DNA試料の採取先として適していることを確認できた。 一方オーストラリアでは、西オーストラリア州と北部準州を訪問し、それぞれ植物標本館や植物園でタマリンドの分布に関する調査と情報収集をおこなった。西オーストラリア植物標本館(パース)では、収蔵されているタマリンドの標本15点を観察するとともに、キンバリー地方におけるタマリンドの生育分布に関する情報を得ることができた。北部準州植物標本館(パーマストン)では、収蔵されているタマリンドの標本40点を観察した。ここで得られた情報をもとに複数の採集地を訪問し、タマリンド樹木を観察し、試料採取が可能であることを確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症による渡航制限によって、予定していたマダガスカル、アフリカ大陸、インドでの現地調査が延期になったため。東南アジア地域における現地調査を実施したものの、全体としては大幅な遅れとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症による渡航制限がなくなったので、次年度は最も重要な調査地であるマダガスカルでの現地調査を実施する。それに加えて、東南アジア地域、アフリカ大陸、インドにおける現地調査を可能な限り実施する。それとは別に、試料採取と日本への発送を現地の共同研究者に依頼する方法について大阪大学の研究者と共同で検討している。現地調査の実施が難しい場合には、共同研究者による試料採取を実施する予定である。
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