研究課題/領域番号 |
19K12511
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
幡谷 則子 上智大学, 外国語学部, 教授 (00338435)
|
研究分担者 |
千代 勇一 帝京大学, 外国語学部, 准教授 (90806382)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | コロンビア / 辺境 / 和平構築 / 紛争 / コミュニティ運動 / エスニック・マイノリティ / 国内避難民 / テリトリー / コミュニティ / 地域 / 社会的主体 / 脱開発 / 暴力 / 中・南アメリカ / グローバリゼーション / 社会的包摂 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、南米コロンビアにおいて、長年の紛争と構造的暴力によって日常生活を剥奪されてきた人々が、紛争後社会で尊厳ある暮らしを再建しようとする営みを、市民による抵抗と生存戦略の実践、国家の政策と支援、地域経済に関わる市場と開発という3次元の動態とそれらの相互関係を通じて分析する。 内戦後形成された主要な非合法武装組織の展開を紐解きつつ、21世紀にかけて紛争被害が激化した「辺境」(歴史的に政府の統治が弱く行政サービスの受給が行き 届かない地域、ないしは政府からその存在すら認識されずに排除されてきた地域と定義)における民衆史を比較考察する。地域社会からみた同国の和平構築における課題を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
2019年は本研究事業の海外研究協力者となるDavid Burbano教授(教皇立ハベリアナ大学)が日本に3か月滞在した機会に、両国間の辺境の比較理解の意味から、日本国内の里山里海の事例を訪問調査し、コロンビアではナリーニョ県トゥマコ市の実態調査にも同行した。2020年度と2021年度はコロナ禍の影響により、国内外の移動を伴う調査は中断せざるを得なかったが、事例とその歴史的背景に関する文献調査に力を入れ、活発なオンライン研究会を行った。2022年度以降はコロンビアへのフォローアップ調査を再開したほか日本ラテンアメリカ学会でパネル報告し、最終報告書を執筆した。2024年6月に刊行予定である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南米コロンビアを舞台に、「辺境」の形成過程とその実態を、複数の事例研究をもとに、個々の歴史的背景も踏まえて明かにした。この研究を通じて、政府と反政府武装勢力との和平合意後も、紛争地においては辺境コミュニティが可視性を獲得しつつも、新しい暴力や排除の対象となる可能性が生まれる現実があり、それらの相克の実態と原因、背景を分析することが、紛争後の辺境地域の主体的再生の可能性と課題を明らかにすることができることを示した。コロンビアの現状の分析は、地域や大陸を超えて、紛争や開発の矛盾を抱える地域の理解と問題解決(日本国内の過疎地域や被災地域の再建も含めて)を考えるためにも有益である。
|