研究課題/領域番号 |
19K12515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
坂下 史子 立命館大学, 文学部, 教授 (10594129)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アメリカ黒人 / 人種 / 暴力 / 公的記憶 / 北アメリカ / 人種暴力 / 記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アメリカ合衆国において「リンチ」と呼ばれる人種暴力の歴史がどのように記憶されてきたかを、近年の博物館展示や地域レベルでの記憶化の取り組みなどの事例研究を通じて、様々な側面から包括的に検討するものである。本研究では歴史的文献資料の検討、博物館展示や地域行事の現地調査などの研究方法を用いて、歴史学、文化研究、文芸批評などの分野横断的な学際研究を行うことを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、アメリカにおいてリンチの歴史がどのように記憶されてきたかを、近年の博物館展示や地域レベルでの記憶化の取り組みなどを例に包括的に検討するものである。具体例として、(1)ワシントンDC 国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館の展示(2016年秋開館)、(2)アラバマ 州モンゴメリー市「平和と正義のための国立記念碑」(2018年春完成)、(3)ジョージア州 1946年のリンチ事件「再演」行事(2005年より毎年7月開催)、の3つを取り上げる。これにより、国レベルの公的記憶と地域レベルでの集合的記憶の形成を考察することを目的とする。
本研究はコロナ禍で研究期間を一年延長したが、2022年度も海外渡航の計画を見送ったため、上記の事例研究のうち(3)のジョージア州への視察を実施することができなかった。よって、本年度も入手済み関連文献の整理を続けたほか、オンライン・データベース等を通じて新たな文献を収集した。また、本研究課題と関連するようなテーマを扱った成果発信をおこなった。具体的なテーマとしては、ブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動と南部連合のシンボルの問題、リンチ未遂事件に発端した1921年のタルサ人種虐殺をめぐる記憶の問題などが挙げられる。これに加えて、一般向けのオンラインセミナーにも講師として複数回登壇し、BLM運動、ブラック・フェミニズムとインターセクショナリティ、公民権運動の歴史叙述などに関する講演をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
3つの事例研究のうち(3)ジョージア州の「再演」行事の視察については当該年度も実施することができなかったため、当初の研究課題の通りに研究を総括することが難しかった。関連テーマについての研究は若干進み、成果発進も実現したが、研究計画通りには進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
事例(2)の視察は夏期または春期休暇中に遂行したい。他方、事例(3)については、校務との関係で2023年度も視察が実施できない可能性が高いため、当該研究課題において(3)を扱う比重を調整することで、総括に向けて取り組みたい。その上で、インターネット上で公開されている過年度の行事の動画やオンラインによる参加者へのインタビューなどを用いることも検討する。
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