研究課題/領域番号 |
19K12518
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
服部 志帆 天理大学, 国際学部, 准教授 (50512232)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 屋久島 / 伝統的狩猟 / 世界遺産 / 猟師 / 持続的利用 / 世界遺産管理 / ジビエ / 文化保全 / 獣害対策 / 狩猟活動の変容 / 狩猟の変遷 / 資源の持続的利用 / 狩猟 / 環境政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、屋久島の狩猟活動の変遷を具体的に明らかにし、今後の展望を開きたい。まず、狩猟活動の変遷を、島外からの政治経済的な需要や島内からの文化的な需要の影響をふまえながら分析する。次に、2010年ごろから猟師のあいだで深刻化しつつあるコンフリクトや、近年若い世代の猟師が開始したジビエ販売やお土産物の商品化、非営利のジビエレストランの運営、屋久犬の保存会といった新たな動きを明らかにする。そして、環境政策やジビエブームなどと併存しながら、屋久島の人々が世界遺産と狩猟文化を維持していけるような方策を検討する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、屋久島における狩猟活動の変遷を、島内外の野生動物に対する需要、開発政策、世界自然遺産、環境政策、ジビエブームとの関わりのなかで明らかにし、屋久島の人々が狩猟文化と世界遺産をともに維持できるような方策の検討を行った。屋久島では、1920~1960年ごろにかけて島外からの経済的需要を受けて「伝統的狩猟」が活発に行われていた。その後、伐採地の拡大がおこなわれたあと環境政策と野生動物保護が活発化したことによって、野生動物が増加した。食害が大きくなり狩猟の生態系保全機能が重要視されるなか、文化的社会的価値の理解が必要であることを狩猟活動の変遷から指摘した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、世界遺産である屋久島において野生動物の持続的利用と住民の文化の両立という観点から実施した。これまで自然保護および野生動物保護は西欧の保護思想の影響を受け、日本においても住民の活動を排除する形ですすめられてきた。しかしこのことが、過度な規制が動物の増加を促し、生態系のバランスを損なうことが世界各地で報告されるようになってきている。生態系の管理のために狩猟が重要な役割を果たすことを理解するとともに、狩猟をおこなってきた住民の文化や社会についても理解をすすめ、環境持続的で文化的に適切な形の世界遺産管理が求められていることを本研究では指摘した。
|