研究課題/領域番号 |
19K12529
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
水野 敦子 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (10647358)
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研究分担者 |
深川 博史 東海大学, 文理融合学部, 特任教授 (30199153)
松田 正彦 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (60434693)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ミャンマー / 農村 / 労働力移動 / 都市化 / 農業 / 非農業 / 都市 / 農業労働力 / 農業機械化 / 人口停滞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、対外開放下のミャンマー農村における人口停滞と社会経済構造の変容の特質とメカニズムについて、1960-90年代に都市化を遂げたアジア諸国との差異に着目しつつ解明することを目的とする。 そのため、文献および統計資料を分析し、先行して都市化を遂げたアジア諸国と、現在のミャンマーの農村の社会経済構造の変化について比較を行う。そのうえで、代表者が過去に調査を実施した2村落(都市近郊農村および遠隔村)において、村落調査及び世帯悉皆調査を実施する。同一村同世帯の二時点のデータを収集し、ミャンマー農村における社会経済構造の変化を分析し、そのメカニズム解明を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、対外開放下のミャンマー農村における人口停滞と社会経済構造の変容の特質とメカニズムについて解明することを目的とする。そのため、代表者が過去に調査を実施した農村において、村落調査及び世帯悉皆調査を実施することを計画していたが、しかし、新型コロナ感染症の拡大および2021年2月の政変以降の情勢悪化により、本格的な農村調査を実施することが難しい状況となった。政変直後は、多くの人が都市から農村に戻ったが、民主派に対する軍の武力弾圧が農村部で激化して以降、農村から都市部、更に国外への労働力流出が拡大している。本研究が当初想定した要因とは異なるが、ミャンマーの農村の労働力流出は拡大しており、それによる人口停滞に陥っている。 調査対象地の詳細な状況は、現地調査によって把握可能である。しかし、昨年度までは実施できない状況にあったため、現地調査に依らない研究を行ってきた。具体的には、東南アジアにおける農業重要度が低下する一方で、農地面積の拡大や農業生産の向上していることに関する研究および、政変後の回復が堅調で農村から流出する女子若年層に雇用機会を提供している縫製産業についての分析などである。 本年度も、ミャンマーの国内は不安定な情勢であったが、本研究の調査対象地域は比較的安定していたことら、10月に現地を視察して調査準備を進めたほか、イエジン農業大学を訪問して意見交換を行った。そのうえで、2月に、ヤンゴン近郊のタンダピン郡で農業労働力の流出と農地の流動化に関する補足的な調査、および、中央乾燥地の調査村において、労働力流出と営農変化などについて質問票を用いた世帯調査である。調査からは、農村の労働力流出が続く一方で、残存世帯の農地取得や借入が増加していることなどが確認できた。今後は、収集データを分析し研究成果をまとめる計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、対外開放下のミャンマー農村における人口停滞と社会経済構造の変容の特質とメカニズムについて解明することを目的とする。そのため、代表者が過去に調査を実施した農村において、村落調査及び世帯悉皆調査を実施することを計画していた。初年度には、調査候補地で予備調査を実施し、調査対象村を選定し、次年度以降、予備調査の結果を基に、質問票を作成し本調査を実施することを計画していた。しかし、新型コロナ感染症の拡大および2021年2月の政変以降の情勢悪化により、本格的な農村調査を実施することが難しい状況が続いてきた。そのため、昨年度までは、実施できない状況にあったため、これによらず研究を行わざるをえなかったことから、研究の進捗は遅れた。 本年度も、ミャンマー国内情勢は不安定であったが、本研究の調査対象地域においては、比較的安定してきたことから、10月および2月に調査を実施することができた。しかし、収集データの精査、分析し成果に纏める作業が残っている。
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今後の研究の推進方策 |
当初本研究が想定していたミャンマーの対外開放は、政変によって進まなかった。しかし、国内情勢の悪化によって、想定していた要因は異なるとはいえ、農村の人口流出と人口停滞が加速する状況に至った。コロナ禍と政変によって、現地調査の実施を遅らせざるを得なかった。今後は、漸く実施できた現地調査による収集データの精査、分析を行って成果の取りまとめの作業を進める。また、研究成果の公表を進める計画である。
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