研究課題/領域番号 |
19K12532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
吉野 馨子 (谷垣馨子) 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (70448918)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 三陸漁村 / 採介藻 / 地区運営 / 都市住民との交流 / 道の駅 / 調査結果の還元 / 都市住民への啓発活動 / 三陸 / 漁村 / コロナ / 高齢者 / 沿岸資源 / 記録 / 高齢化 / 地域資源 / 移住者 / 空き家 / 再評価 / 共有 / 持続可能性 / 地域運営 |
研究開始時の研究の概要 |
日本は人口減少の局面に入っており、それはとくに農山漁村で顕著である。様々な議論はあるが、地域固有の価値を生かし地域の状況を織り込みながら地域の人たちが考え動くほかない。 震災後、過疎化と高齢化が急速に進む宮城県石巻市の漁村地域を事例に、地域の共同性は今日の文脈でどう再構築できるかという課題を底流に、住み続けられるための生業のベースと生活環境をどのように守り創っていけるかを検討する。高齢化、人口減少を前提としつつ、地域に暮らす人々が日々を楽しみ安心感を持って生活できるような地域運営のあり方を地域との共同のもとアクションリサーチ手法を通し模索し、農山漁村に共通する課題の解決の一助を目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、コロナの影響もほぼなくなり、以下の活動を行った。 1.調査研究①地区に開設されている公設民営の道の駅の実情、可能性と課題についての調査:震災後開設されたが、幹線上にないこともあり利用者が年間5万人ほどであり伸び悩んでいる。そのため、店舗も無人化したり閉店時間を早めるなど、負の循環が生じている。出店する店舗同士の連携が十分でない、という課題も見られた。立地上集客が急速に伸びることは考えられず、半島内での買い物先を失った地区住民が利用しやすく集いたくなるような仕掛けが有効ではないかと考えられた。 ②地域運営と採介藻の関係:三陸漁村の採介藻のなかでも、最も重視されているアワビに注目し、雄勝半島およびアワビ名産地の南三陸町吉浜にて調査を行った。アワビは地区運営のための財源として危機の際に大きく貢献してきたこと、アワビは採捕者自身の消費よりも身近な人たちへの贈答による消費に意味があること、資源保全の取り組みについては、採捕ルールの徹底等の地区内での課題もあるが、外部者による密漁といった地区住民では対応しきれない問題に加え、温暖化による海の変化がアワビの生態にも大きな影響を与えており、今後深刻な問題が生じる恐れがあることが明らかとなった。 2.雄勝半島の漁家を招いての都市住民向けのオープンカレッジ講座を昨年に引き続き開催した。その資料作成段階では、漁家自身が自分たちの地域や資源の状況について再確認したり、新しく発見するような場面がみられ、このように自分たちの生活を相対化し第三者に伝える機会の重要性が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナのために3年間近く現地調査ができなかった。そのため、まだ予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は本課題の最終年度(2年延長)となる。地区の資源を持続可能性に配慮しながら最大限に活用すること、人口減少と高齢化が進行する中で、いかに地区に関わる人たちをふやしていくかが、二つの大きなテーマとなる。より実践的な探索をおこなっていく。 ・地区にとって重要な採介藻に注目し、地区にゆかりのある人たちが、海からの恵みを楽しめるための方策を検討するとともに、資源の持続的利用の方策について検討する。 ・関係人口の現状について整理するとともに、それを広げ、深めるために求められるものを検討する。
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