研究課題/領域番号 |
19K12536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
石井 正子 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (40353453)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | フィリピン / 武力紛争 / 和平プロセス / 平和構築 / 自治政府 / 選挙 / イスラム / ムスリム / ミンダナオ / 紛争 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、フィリピン南部の最大武装勢力であるモロイスラム解放戦線(MILF)とフィリピン政府との和平プロセスに着目する。両者は2014年3月に包括的合意に署名し、南部に新しい自治政府を設立し、MILFを段階的に武装解除することによって紛争を終結することに合意した。他の紛争地域における自治政府設立過程との比較研究を行い、地域研究および平和構築の学問分野に実証的かつ理論的に貢献することを目的とする。
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研究実績の概要 |
2022年5月9日、フィリピンにおいて総選挙が行われた。この選挙に初めて候補者を擁立したのがUnited Bangsamoro Justice Party(UBJP)であった。UBJPはフィリピン政府との和平合意に署名したモロイスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation Front: MILF)の政党である。これに際し、本研究により2022年6月1日から30日までフィリピン南部ミンダナオ島とタウィタウィ島に滞在し、主にマギンダナオ州と北コタバト州、タウィタウィ州に焦点を当てて、UBJPから出馬した候補者にインタビューを行った。 マギンダナオ州では、UBJPの下院議員、知事、副知事候補者は勝利できなかった。町レベルでは、同州36町のうち、UBJPは32町で町長候補者を立て、うち8町において勝利した。一方、新自治政府の政府庁舎がかれることとなるコタバト市では、接戦の末、UBJPの市長候補者が勝利をした。北コタバト州においては、同州の63村が暫定自治政府の一部になることが決定しているが、選挙管理委員会の決定により、同63村は地方政府の代表の選挙権が否定された。同州においては、暫定自治政府の外における2町においてUBJP関係の候補者が町長選に立候補したが、勝利することはできなかった。タウィタウィ州においては、UBJPは地域政党のTawi-Tawi One Pary(TOP)と連携をして選挙戦を戦った。タウィタウィ州では、TOPの知事、副知事候補者が勝利した。下院議員は異なる政党からの候補者が勝利したが、同人物は知事の息子である。町レベルでは、同州11町のうち、9町でTOPの候補者が当選した。 なお、UBJPはマギンダナオ州においては結果的に既存の政治家に対抗する形で候補者を立てることになったが、同州に限らず、候補者の擁立にいたるまでのあいだに、既得権を持つ政治家との対立回避のための交渉が水面下で行われていたことも分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度までコロナの影響により、海外調査を実施することができず、計画が後ろ倒しになってしまった。2022年度には長期の海外調査が実現したが、その成果をまとめ、発表し、出版することに時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には、2022年度に訪問することができなかった、タウィタウィ州のシブツ町、シタンカイ町において、2022年の総選挙に関する調査を実施する。マギンダナオ州において訪問することができなかった地方自治体でも聞き取り調査を行いたい。また、成果を取りまとめ、アテネオ・デ・マニラ大学で報告を行う。国際学会における報告も検討し、次年度に論文を出版する準備も開始する。
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