研究課題/領域番号 |
19K12539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
佐藤 創 南山大学, 総合政策学部, 教授 (40450514)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | インド / 土地収用 / 経済発展 |
研究開始時の研究の概要 |
経済発展著しいインドの課題としてインフラストラクチャーの整備が遅々として進まないことが依然として指摘されている。その理由の一つとして土地収用をめぐる社会的な紛争が頻発していることがある。外国援助に基づくプロジェクトの案件でも土地収用問題が生じている。そこで、本研究は、2013年に一世紀以上を経て新しくされた土地収用制度の特徴や運用状況を調査検討し、現在のインドにおいて、収用目的、収用手続、合意形成、補償額、生活再建等のどこに問題があるのか、ケースを整理し、旧法からの改正が問題の改善に資しているのかを問い、問題点と改善策を考察する。
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研究実績の概要 |
本研究は、インドにおいて、とくに2000年代以降重要な社会問題となった土地収用問題を多角的かつ歴史的なパースペクティブから検討することを目的としている。 初年度の2019年度は、2013年制定の土地収用法の特徴を考察し、争点となっているいくつかの具体例について、各種資料を収集した。2020年度および2021年度には、新型コロナ問題により予定していた現地調査が叶わなかったために、初年度に収集した文献調査と判例分析を敷衍する形で研究を進めた。また、土地収用制度と密接に関連する土地登記制度のインドにおける改革状況についての調査と、インド土地収用制度の起源である19世紀における制度の改革の調査に取り組んだ。 これらの進捗を背景に、2022年度には、一つには、インドにおける土地登記制度の改革状況についての論文をまとめ、発表した。論文では、暫定的な土地権原制度から確定的な土地権原制度へというインドの改革がどのような経緯で行われており、その進捗状況を確認しつつ、インドに適した改革がどのようなものであるかの議論を整理した。 また、第二に、19世紀初頭から19世紀末における英領インドにおける土地収用制度の展開の歴史を議会資料などを集めて検討し、また鉄道の敷設との関係なども調査した。そうした調査で得た知見を、研究会などで発表し、インドや中国の近世における土地制度の展開を専門とする研究者と意見交換を行った。それらの研究蓄積をもとに、論文の草稿を仕上げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ問題により、インド他での現地調査を実施できていない分、当初の研究予定に遅れがでている。ただし、研究実績の概要においても述べたとおり、土地収用制度に関する歴史的な発展に関する検討と、土地収用に密接に関連する土地登記制度の展開に関する検討を進めることができ、研究全体としては着実に進めることができていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
インドの土地収用の歴史的展開のうち、まだ十分に調査ができていない、20世紀前半についてさらに調査を進めるとともに、それらの歴史的な発展についての知見を踏まえた上での現代インドにおける土地収用問題の現状分析を行う予定である。とくに、今年度は、現地調査を実施して、成果の取りまとめに向けて研究を進める予定である。
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