研究課題/領域番号 |
19K12540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
加藤 敦典 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (60613750)
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研究分担者 |
宮沢 千尋 南山大学, 人文学部, 教授 (20319289)
比留間 洋一 静岡大学, 国際連携推進機構, 特任准教授 (30388219)
岩井 美佐紀 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (80316819)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高齢者 / ケア / ベトナム / 東南アジア / 居住 / 介護 / コミュニティ / ジェンダー / 介護留学生 / 高齢者法 / 東アジア / アタッチメント / ディタッチメント / 看取り / 看護 / 居住形態 / ケア・レジーム / 施設介護 / 家族介護 / 看護学 / 生活史 / 福祉 / 家族 / 地域社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ベトナムの村落地域における高齢者の居住形態の選択(とくに高齢者の独居)について、文化人類学的なフィールドワークを軸に分析をおこなう。ベトナムの家族については、相反する規範やルールが並存するなか、人々はそれらを状況に応じて使い分けたり、複数のルールに巻き込まれたりしながら、個別のケースに対処している。本研究では「規範形成の動態」と「文化実践の再編」という観点を提示し、それぞれの状況における実際的な対応を分析することで、その分析枠組みの有効性を検証していく。
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研究成果の概要 |
ベトナムの独居高齢者ケアをめぐり、(1)高齢者の居住ローテーションがみられること、(2)嫁、娘によるケアがとくに重要であること、(3)国家によるケアの供給は限定的で、家族による高齢者扶養を重視していること、(4)国家は国際的潮流とも連動しつつ共同体ケアの活性化をめざしていること、(5)共同体ケアの基盤となる相互扶助の伝統は脆弱であり、共同体ケアに積極的に関与するのは社会関係資本に恵まれた住民に限られ、独居高齢者にとっては参加しづらいこと、(6)親族内では金銭の授受を含む契約に基づくケア分担がおこなわれており、民間施設入居、家事労働者の雇用を含め、契約によるケア供給が広がりうることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人類学的な実地調査によりベトナムの独居高齢者ケアをめぐる規範形成の動態と文化実践の再編の枠組みを把握できたことは、ベトナムにおける高齢者ケアに対する支援活動にとっても有用な指針を提供することになる。また、日本がベトナムの看護・介護人材を受け入れはじめているなか、本国のケアのありかたの実態、ケア人材の受け入れが本国のケアに与える影響を考えるうえでの重要な資料ともなる。ベトナムにとって喫緊の課題である高齢者ケアをめぐる動向を明らかにすることは、ベトナム社会をより深く理解する手がかりになるという点においてベトナム地域研究にとっても意義深いものである。
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