研究課題/領域番号 |
19K12542
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小田 尚也 立命館大学, 政策科学部, 教授 (30436662)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | インド / 看護師 / 国際労働移動 / 短期出稼ぎ労働 / タミルナードゥ / マレーシア / 看護師不足 / モビリティー / 海外出稼ぎ / タミル・ナードゥ / 海外労働移動 / インド人看護師 |
研究開始時の研究の概要 |
インドはフィリピンと並んで看護師の最大の輸出国である。看護師の国際労働移動の主たる要因は海外とインド国内の給与格差であると考えられ、特に民間病院に勤務する看護師の給与水準は低く、彼らの出稼ぎ労働への選好は強い。一方、世界保健機構はインド国内では看護師が大幅に不足していると報告している。このような場合、看護師の給与水準は上昇するはずであるが彼らの給与は低いままである。本研究では、このパラドックスをインドで看護師を対象とする調査データから実証する。特に民間部門における補助看護師および無資格看護師の存在と、都市部と農村部など地域ごとに異なる看護師の分布の違いがいかに給与水準に影響するかを検証する。
|
研究実績の概要 |
マレーシアから帰国したタミルナード看護師へのアンケート調査をベースに、短期出稼ぎ労働が看護師の帰国後のパーセプションにいかなる影響を与えたかを検討した。インドからマレーシアへの看護師の労働移動は多くが3年以下の短期契約に基づくものである。 パーセプションを(1)economic and financial conditions, (2)social status in India, (3)nursing skills and knowledge, (4)communication skills, (5)language (English) proficiency, (6)patient care, and (7)self-confidence、に分類した場合、(1)と(2)を除く項目において6割から7割を超える看護師がポジティブな変化を感じていると回答した。一方、(1)と(2)においては4割程度の看護師が変化を感じないと報告している。労働移動の目的が経済的理由であるにも関わらず、経済的、社会的なプラスの変化を感じないのは、マレーシアへの労働移動が短期間であることが影響している。さらに2000年代以降のインドや世界的な環境の変化も看護師のパーセプションに影響していると考えられる。インドの急速な経済発展や大量の看護学校の設立、またグローバル化により海外に出かけることが簡単なものとなり、かつてのように看護師となり出稼ぎに出ることが一生一大のイベントではなくなりつつある。そのような状況下、holiday worker nursesの存在が出現していると推察する。つまり経済的目的を主として出稼ぎに行くのではなく、楽しさを求め渡航する若い看護師の出現である。この傾向はシンガポールで実施した調査でも確認できている。このような新しい傾向を発見したことは大きな成果であると言える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により現地でのデータ収集が遅れているため。
|
今後の研究の推進方策 |
現地でのデータ収集を行うために現地調査をなるべく早い段階で実施し、得られたデータをもとに実証的な研究を進めていく。
|