研究課題/領域番号 |
19K12549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
越智 正樹 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (90609801)
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研究分担者 |
石黒 侑介 北海道大学, 観光学高等研究センター, 准教授 (00743238)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 社会的価値 / DMO / 辺境 / 観光社会学 / 観光経営学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、八重山と知床におけるDMO関連活動の実態調査と理論研究により、「DMOが果たすべき社会的役割を、いかに理論化して明示できるか」「辺境地域の特殊性の中で、DMO的組織はいかに、国策と調整しつつ地域主導的な実践をし得るか」といった課題を追究する。 DMOの研究は国内外を問わず、そもそもの蓄積が決して多くない。まして社会的価値創出に焦点を当てたものは皆無と言って良い。 これに対し本研究は、研究代表者(観光社会学)と分担者(観光経営学)の既往業績に、社会的企業論や組織社会学の他、企業文化論や地域社会学等の知見を援用し、辺境2地域の協働分析することで、社会的DMO論を構築するものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、DMOによる社会的価値創出について、理論的体系化と実証的調査とを行った。この観点に特化した研究は稀有であり、観光の社会的効果に関する国内外の研究に対しても寄与するものである。 成果として、まず理論的にDMOの社会的役割が3位相(財・サービス、プロセス、ガバナンス)に分類された。かつ各々の達成のされ方が、ソーシャル・クオリティ・アプローチ等の援用により体系的に論じられた。一方で現地調査からは、官民連携ゆえのガバナンスの不安定さなどのミクロな事象から、組織像や事業構造や組織文化における「揺らぎ」などのマクロな事象まで、日本のDMOの社会的価値創出における現実的な問題が明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オーバーツーリズムなど観光による社会への負の影響が国内外で指摘される昨今において、観光地域づくりの核とされるDMOが社会的価値の創出にも貢献すべきであることはもはや言うまでもない。しかし、DMOに関する従来の研究では、このような観点からの蓄積はごく少ない。さらにそもそも社会的価値が何を指すかは、SDGsを含めた国際的な各種評価基準においても、具体性を欠いている。 これに対して本研究は、観光社会学と観光経営学の双方の知見を合わせて、DMOの社会的価値創出を理論的に体系化し、実地調査に基づき課題を浮き彫りにしたものである。この成果は、より社会に寄与する未来志向の観光づくりに貢献するものである。
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