研究課題/領域番号 |
19K12553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 札幌大学 (2022) 函館大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
井上 祐輔 札幌大学, 地域共創学群, 准教授 (90737975)
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研究分担者 |
東郷 寛 近畿大学, 経営学部, 准教授 (10469249)
山田 雄久 近畿大学, 経営学部, 教授 (10243148)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 地方創生 / 伝統産業 / 産地戦略 / 産地ブランド / レトリカル・ヒストリー / 波佐見焼 / 産地の歴史 / 歴史の活用 / 産地間分業 / 観光まちづくり / 新制度派組織論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1990年代のバブル崩壊以降、急激に衰退している伝統工芸産業である陶磁器産業を取り上げ、相対的に売り上げの衰退幅を抑えることに成功した磁器産地である波佐見焼産地の取組みを分析する。波佐見焼産地の特徴は、産地ブランドの確立に向けた取り組みと観光まちづくりの実施であり、これらが産地全体として取り組まれたことにある。 そこで、本研究は価値創造システムの構築のための産地戦略と地方創生に向けた観光まちづくりとの関係を解明することを目的とし、これらの取組みを中心的に主導する磁器の製造業者・産地商社の取組みを経営学・社会学の解釈枠組みである新制度派組織論の観点から検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、波佐見焼産地の再生に関する収集した資料(インタビューデータ、業界紙および、組合提供資料、行政提供資料、公表されている出版物など)を基に、現代の波佐見焼産地について語られている歴史を整理・分析し、論文にまとめ、学会発表を行い公表した。 そこでは、波佐見焼産地の歴史的背景を示し、現代の産地の再生に関する異なる2つの歴史に関する言説があることを示し、これらが競争的な関係となっていないことによって、柔軟な消費者ニーズの取り込みと、産地ブランドとしての独自性と一貫性を生み出し、観光的価値を生み出す源泉の一つとなっていると考えることができることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、経営学におけるレトリカル・ヒストリー研究に従い、フィールド内の企業が産地の歴史や企業の歴史を戦略的な資源として活用していることを示した点である。さらに、レトリカル・ヒストリー研究がフィールド内の歴史認知の競争的な側面を強調することに対し、共存的な側面を明らかにしたことである。 また、社会的意義として、産地の歴史を支配的な語りによって説明される側面がある一方で、他の行為者は異なる歴史的な語りをもっていることを示し、両者の語りの共存が産地内の自由度と一貫性という矛盾する要素の共存を可能にしていることを示した点である。
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