研究課題/領域番号 |
19K12589
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
浦野 寛子 立正大学, 経営学部, 教授 (40585957)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | おもてなし / ホスピタリティ / サービス / マーケティング / コロナ / 海外展開 / 国際比較 / 観光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本の歴史・文化に基づく日本特有の「おもてなし」概念に着目し、その海外展開戦略を検討する。具体的には、本研究の目的は3つある。第1に、「おもてなし」概念やそれを構成する要素を明示する。第2に、日本企業の主な進出先であると考えられるアメリカ・中国・台湾の消費者が、日本の「おもてなし」をどう捉え、どのような要素に特に注目・期待しているかを明らかにする。第3に、「おもてなし」の海外展開戦略を立てる際に依拠する枠組みの構築を試みる。本研究は2つの調査方法、①質問票調査および②インタビュー調査を用いる。
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研究実績の概要 |
本研究は、昨年延長したため、今年が4年目にあたる。本年度の研究予定としては、コロナの影響で繰り越しとなっていた中国・台湾・アメリカの消費者へのインターネット調査、海外展開している企業に対するインタビュー調査を行う予定であった。 研究実績としては、昨年に引き続き今年度に関してもコロナの影響で海外への渡航が制限されていたために、海外展開している企業に対する現地インタビュー調査を行うことは出来なかった。消費者に対するインターネット調査に関しても、アンケートの対象を「直近3年以内の中国・台湾・アメリカからの日本観光訪問者」と設定していたため、こちらも昨年から引き続きコロナの影響で、外国人観光客の入国が制限され、直近3年(特に直近1年)以内に日本に観光に来た外国人旅行者が少なかったため、アンケート調査を行うことを見送った。 こうした点をふまえて、当初予定していた調査が滞ったこともあり、今年度においては、コロナ前後の「おもてなし」がいかに変化したか、変わった点、変わらない点などを、国内のメーカーやサービス企業に対してインタビュー調査を行った。成果としては、コロナ禍における消費者意識の変化と、それに対応した企業のマーケティング戦略に関して国内調査を行い、こちらに関する成果としては、共著にて「コロナ禍における観光経営」として報告書にまとめた。 次年度に関しては、再延長したため、研究の方向性に関して、当初の計画通り、海外展開している企業に対する現地インタビュー調査や、中国・台湾・アメリカの消費者に対するインターネット調査を行うか、あるいは、一昨年、昨年、今年度同様、当初の計画から一部変更した上で、サービス業のマーケティング戦略に関して研究を進めていくか慎重に検討して進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
4年目である今年度は、「研究実績の概要」のところでもふれたが、コロナの影響で、海外展開している企業に対する現地インタビュー調査や、中国・台湾・アメリカの消費者に対するインターネット調査が出来なかったこともあり、当初の研究内容に関しては、「遅れている」と言わざるを得ない。 そもそも、当初の計画においては、研究の目的は3つあった。第1に、「おもてなし」概念やそれを構成する要素を明示すること。第2に、日本企業の主な進出先であると考えられるアメリカ・中国・台湾の消費者が、日本の「おもてなし」をどう捉え、どのような要素に特に注目・期待しているかを明らかにすること。第3に、「おもてなし」の海外展開戦略を立てる際に依拠する枠組みを構築することであった。 第1の目的に関しては、1年目の文献調査でほぼ整理できている。第2の目的に関しては、コロナの影響で、アンケート対象者が少なく、アメリカ・中国・台湾の消費者に対するインターネット調査が出来ていないため、目的を達成できておらず、進捗状況は遅れている。アンケート対象者が少なく、調査にかかる費用も高額になることが想定されるため、次年度は、当初の予定通りアンケートをとるべきか、別の方向性で研究を進めていくかに関しては慎重に検討したい。第3の目的に関しては、コロナによる渡航が制限される前に、1年目に、アメリカ・中国・台湾に展開している日系企業に対するインタビュー調査を、当初の計画以上に進捗させていたため、ある程度の仮説は構築できている。 以上のようなことから、コロナの影響で一昨年・昨年度に引き続き、今年度に関しても、当初の研究計画が達成できなかった。しかしながら、研究内容を一部変更し、方針転換した上で、ウィズコロナ、アフターコロナにおけるサービス・マーケティングに関する新たな知見を得ることが出来た点ではよかった。
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」の所で述べたように、コロナの影響で、今年度までにアメリカ・中国・台湾の消費者に対するインターネット調査が出来ていない。2023年4月まで日本への入国者に対してコロナ対策措置がとられていたため、「直近3年以内の中国・台湾・アメリカからの日本観光訪問者」というアンケート対象者が極めて少なかったためである。次年度調査を行うにしても、対象者が少ないため、想定していた有効回答者数を確保することが難しく、調査にかかる費用も高価になることが想定される。したがって次年度は、当初の予定通りアンケートをとるべきか、別の方向性で研究を進めていくかに関しては慎重に検討したい。 なお、仮にアンケートを行う場合には、こうした問題に対する対応策として、第1にアンケートの対象を見直し、変更した上でアンケートを実施する。対応策の2つ目としては、アンケートの実施を見送ることである。こちらに向けていた予算は、例えば一昨年より行っている派生研究である「コロナ禍における消費者意識の変化と、それに対応したサービス業のマーケティング戦略」に関する文献購入費や現地インタビュー調査などに関する費用に充てていきたい。
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