研究課題/領域番号 |
19K12593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
吉田 竹也 南山大学, 人文学部, 教授 (10308926)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 観光サバルタン / 楽園観光地 / 観光リスク / 世界自然遺産 / リキッドホーム / バリ島 / 移住者 / 奄美・沖縄 / 観光リスク論 / 観光の定義 / 奄美・沖縄の世界自然遺産 / バリ島移住者 / ひめゆり同窓会 / リキッド・ホーム / 観光恐慌 / バリ / 楽園観光 / 合理化 / リスク社会 / 観光概念の再考 / 文化人類学 / 南西諸島 / リスク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、人類学的な民族誌研究と社会学理論研究とを組み合わせ、観光リスク論の発展に寄与しようとするものである。観光地化は、ひとつの支配の浸潤と捉えうる一面をもつと考えられる。この支配に取り込まれ従属する人々を、ここでは「観光サバルタン」と暫定的に呼ぶ。彼らに着目しつつ、インドネシアのバリ島と日本の奄美・沖縄の事例をもとに、現代の観光の発展が孕むリスクとその顕在化について、観光の「中心」ではなく「周縁」的事象といいうるところにあえて着目しつつ、考察しようとするのである。
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研究成果の概要 |
本研究は、(1)楽園観光地の構造的特徴に着目した観光リスク論の検討、(2)観光の定義の困難さに関する理論的研究、(3)奄美・沖縄の世界自然遺産とその観光地化を事例とした民族誌的考察、(4)戦後のひめゆり同窓会の活動を事例とした民族誌的考察、(5)インドネシアのバリ島における日本人ライフスタイル移住者を事例とした民族誌的考察を、(6)現代観光の実践主体を「観光サバルタン」と捉える視点から、ひとつの議論へとまとめた研究である。新型コロナウイルス禍により、当初予定した研究期間を1年延長することとしたが、研究成果は2023年6月にひとつの単著にまとめた。この単著は、ウェブでも一般に公開されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、観光リスクに関する人類学的考察を、1990年代以降の現代観光、とくに日本の奄美・沖縄とインドネシアのバリ島に関する民族誌的研究と理論研究とを組み合わせた複数のトピックに即して検討したものである。人類学的観光研究は、長らく「ホスト&ゲスト」論の枠組みの上にあった。しかし、複雑化し多様化する現代観光とその実践主体を把握する上で、この枠組みはかならずしも十分なものではない。本研究は、「観光サバルタン」という概念を提起し、現代観光を、その中心的な特徴や現象に着目する視座からではなく、周縁に着目する視座から捉えようとする、新たな可能性を切り拓こうとした試みである。
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