研究課題/領域番号 |
19K12594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
阿部 大輔 龍谷大学, 政策学部, 教授 (50447596)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | オーバーツーリズム / 包摂的観光戦略 / 戦略的観光政策 / 持続可能な宿泊施設 / ジェントリフィケーション / 地区の低俗化 / 宿泊施設 / 地価 / 包摂的観光 / 持続可能な観光 / 国際観光都市 / 観光マネジメント / DMO / 国際的観光都市 / DMO組織 / fairbnb / 都市組織の変容 / 都市組織 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、観光産業が居住環境に大きな影響を与えていると考えられる複数の都市を対象に詳細な現地調査を実施し、世界的に見ても新たな兆候であるオーバーツーリズムの様相を実証的に捉え、国際観光都市における持続可能な都市政策の実践的な理論構築を図ることを目的とする。観光の促進と今後の都市マネジメントが不可分な状況にある歴史的観光都市の中でも、本研究では政策的対応を図っている都市(例えば《観光戦略調整政策》を講じているヴィエネツィア、宿泊施設の全市的なコントロールを図る《観光宿泊施設立地抑制プラン》を策定しているバルセロナ等)を対象に調査を進める。
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研究成果の概要 |
本研究は、観光産業が居住環境に大きな影響を与えていると考えられる複数の都市を対象に実証的な現地調査を展開し、世界的に見ても検証が急務だったオーバーツーリズムの様相を捉え、国際観光都市における持続可能な都市政策の実践的な理論構築を試みた。オーバーツーリズムの過程で顕在化した宿泊需要の急増は、事業者による不動産投機を招いた。賃貸料金の高騰は、相対的な経済弱者が界隈に住み続けることを困難にし、住宅問題を深刻化させている場合もあることが明らかとなった。対抗策として、ジェントリフィケーションを防ぎ、観光系用途(宿泊施設等)の適切な立地ならびに界隈にとって不可欠な生業や店舗の保全が必要であることを論じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オーバーツーリズムは「地区の低俗化」(観光の進展が地域の特質を弱め、生活の質そのものを低下させてしまうこと)をもたらし、地域社会の営みに埋め込まれた社会・文化・空間資源の持続的な維持の仕組みを瓦解させつつあった。既往研究が不在である国際的観光都市における政策の歴史的経緯ならびに新たな現象としてのオーバーツーリズムのメカニズムや実態に関する実証データが得られた。観光客の分散やマナー啓発にとどまりがちな現状の措置に対して、宿泊施設の戦略的な立地規制等、都市計画と観光を融合した政策の可能性を示唆した。
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