研究課題/領域番号 |
19K12598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
千 相哲 九州産業大学, 地域共創学部, 教授 (40287909)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ソーシャル・キャピタル / 地域発展 / インバウンド振興 / 対馬 / 根室 / 長崎中華街 / 韓国釜山中華街 / ソーシャルキャピタル / インバウンド / 韓国釜山チャイナタウン / 観光地域づくり / 地域力 / 関係人口 / 観光の質 / 持続可能な観光 / オーバーツーリズム / 観光振興 / 相互補完的関係 |
研究開始時の研究の概要 |
訪日外国人旅行者の増加が著しいが、地域の中には、住民と観光客や観光事業者との間で様々なコンフリ クトが生じているところもあり、これらの問題は訪日外国人旅行者の増加とともにより顕在化する可能性がある。 インバウンドの振興をただ単に経済的効果と地域活性化だけで捉えるのではなく、地域社会がインバウンドに向き合い、自発的に関与し、まちづくりに生かせるようにしていく必要がある。本研究では、観光事業者、地域住民(非観光業従事者)を対象にヒアリング調査、外国人観光客に対しては、アンケート調査を通して、日本文化への関心、地域社会 との交流のニーズ、日本文化の体験と交流促進に隘路となっている要因を探っていく。
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研究成果の概要 |
本研究では、「ソーシャル・キャピタル」の概念を用いて、インバウンドにおける地域社会の役割と機能を明らかにすることを目的とし、対馬、長崎中華街、韓国釜山中華街、根室市の事例から、次のような示唆が得られた。 ・外部からの多様なプレイヤーが地域のソーシャル・キャピタルのストックになるよう、行政、民間レベルでの協働・連携体制を築く必要がある。・観光による社会、経済的効果の見える化と情報の共有化を図る必要がある。・持続可能な観光を実現するためには地域住民を中心に地域資源を活用することが大事である。・地域内での異文化交流、多文化共生の基盤づくりに地域住民の共通理解による受け入れ環境の整備が重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長崎中華街における異文化共生は、対馬、韓国釜山中華街及び北海道根室と異なる。長崎中華街では中国文化が受容・変容、再構築される歴史的土壌があったこと、その中で中国との交流の歴史が積み重なり、文化同士が交流力を高める過程を経験したことが異文化理解を促す基盤となり、ソーシャル・キャピタルの醸成が進んだ。他方で対馬、韓国釜山中華街と根室のロシア人との交流においては、異文化交流によるコミュニティ構築の土壌有無は別として、それを促すための受け入れ環境が整っていなかった。社会や地域における、人々の信頼関係や結びつきを表す概念であるソーシャル・キャピタルの視点は、インバウンドの振興と地域発展に重要である。
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