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クォータ制導入による女性の政治参画とジェンダー秩序の変容:ネパールを事例に

研究課題

研究課題/領域番号 19K12601
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80030:ジェンダー関連
研究機関アール医療専門職大学 (2023)
埼玉大学 (2019-2022)

研究代表者

幅崎 麻紀子  アール医療専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (00401430)

研究分担者 原田 いづみ  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (10846314)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードジェンダー・クォータ / 女性の社会参画 / ジェンダー役割規範 / 副市長 / 女性議員への期待 / 再選の困難さ / 陳情 / 女性の暮らしへのインパクト / 自己表象 / ジェンダー役割 / 選挙運動 / ポジティブアクション / 地方行政 / ジェンダー秩序 / クォータ制 / 女性の政治参画 / ネパール
研究開始時の研究の概要

本研究は、約20年ぶりに地方選挙が実施され、人々にとってより身近な政治領域である地方政治にクォータ制が導入されたネパールを事例に、急速に女性の政治参画が進むローカル社会のジェンダー秩序の変容について、質的調査(聞き取り調査と参与観察)方法を用いながら、公的領域および私的領域における人々の活動や日常的実践を明らかにし、ジェンダー・クォータ制の長期的なインパクトと効果を明らかにするものである。

研究実績の概要

2023年度は、ローカル社会における人々のジェンダーをめぐる価値観の変化の把握のため、前年度に調査を実施する予定だった地方都市G市と、調査を実施した農村部B地区を訪問し、引き続き資料収集をするとともに住民への聞き取りや参与観察等、補充調査を行った。また、クォータ制を導入していないにも関わらず、国会の女性議員の割合が50%を超えているニュージーランドを訪問し、女性が政治に参画する歴史的文化的背景や女性政治家の自己表象の方法や有権者へのアピール、政党との関係性等について、資料収集を行った。
ネパールG市での現地調査からは、女性の副市長や代議員を中心に、「子どもにやさしい自治体」を標榜し、家計調査の実施や女性のエンパワーメント活動への支援施策を継続して行っていること、女性地域保健ボランティアの研修の実施、国際女性デイの周知などが行われていることがわかった。また、政治活動や地域イベントへの参加を積極的に行っているとともに、副市長はフェイスブック等のSNSを活用し、娘や母としての姿を発信していることがわかった。
B地区での調査からは、比較的若い年齢層(30歳~40歳代)の住民を中心に、副市長とフェイスブック等でゆるやかな繋がりを持ちながら、その動向に関心を持っていることがわかった。その一方で、女性の副市長の誕生が、ジェンダーをめぐる価値観に影響を与えたとは認識してはいないことが窺えた。
B地区の参与観察からは、女性の社会進出が進んでいる様子が窺えた。専業主婦をしていた女性も仕事を得て、カトマンズで働き始めるようになった例が数件見られた。また、妻の就労により夫が食事作りをする機会が増え、洗濯機の導入により洗濯物を干す男性の姿が見られるなど、家事分担に若干の変化がみられた。しかしながら、これらの変化と女性の社会参画との関係性についてははっきりしない部分が多く、さらなる調査・分析が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度も現地を訪問し調査活動を行ったものの、コロナにより現地調査中断と2022年度の地方統一選挙により、研究計画が後ろ倒しとなってしまっている。また、研究代表者及び共同研究者の所属の移動が重なり、今年度予定されていた聞き取り調査とその分析については、遅れが生じた。2024年度は研究計画に沿って、研究の分析とまとめを進めていきたい。

今後の研究の推進方策

2024年度は、SNSによる女性政治家の自己表象についてのデータ収集を継続するとともに、G市を中心に文献資料を収集し、副市長や女性議員へのインタビューを行う。また、B地区を中心に聞き取り調査及び参与観察を続け、ローカルに暮らす女性たちの社会進出やジェンダー規範についての考察を続ける予定である。また、これまでのデータを分析し学会等で発表し、論文を執筆して投稿する。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2023 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 同性婚実現のための法解釈ー;最高裁国籍法違憲判決を参考に2023

    • 著者名/発表者名
      原田いづみ
    • 雑誌名

      鹿児島大学法学論集

      巻: 58 ページ: 71-95

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Fluctuating Reproductive Practices in the Age of Precariousness: Birth Spacing in Contemporary Nepal2023

    • 著者名/発表者名
      Makiko Habazaki
    • 雑誌名

      Rougledge New Horizons in South Asian Studies: Life, Illness, and Death in Contemporary South Asia

      巻: ー ページ: 117-135

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本語指導が必要な生徒の高校卒業を支える要因 : 定時制高校の事例から2022

    • 著者名/発表者名
      幅崎麻紀子
    • 雑誌名

      共生教育学研究

      巻: 9 ページ: 39-52

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] <書評>小浜正子著『一人っ子政策と中国社会』2021

    • 著者名/発表者名
      幅崎麻紀子
    • 雑誌名

      史林

      巻: 104 号: 1 ページ: 263-269

    • DOI

      10.14989/shirin_104_1_263

    • NAID

      120007026428

    • ISSN
      0386-9369
    • 年月日
      2021-01-31
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 人にはそれぞれSOGIEがある! ~すべての人の尊厳が実現する社会を~2023

    • 著者名/発表者名
      原田いづみ
    • 学会等名
      023年度九州弁護士会連合会シンポジウム「虹をかけよう、LGBTQ+と、 SOGIEと、それから私、」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 現代ネパールにおける「バーススペーシング」という問題2020

    • 著者名/発表者名
      幅崎麻紀子
    • 学会等名
      日本文化人類学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 外国人女子生徒の定時制高校への進学後の課題―就学継続支援に向けて―2020

    • 著者名/発表者名
      幅崎麻紀子
    • 学会等名
      異文化間教育学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] Women’s Choice within the Context of Fertility Decline: A Study of Reproductive Praxis in Contemporary Nepal2019

    • 著者名/発表者名
      Habazaki, M.
    • 学会等名
      INDAS international symposium “Life and Death in Contemporary South Asia”
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] How do Japanese school teachers face educational difficulties in transition to Multicultural Symbiotic Societies?2019

    • 著者名/発表者名
      Habazaki, M., Shoji, I.
    • 学会等名
      41th Annual Conference of the International School Psychology Association
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] アジアの出産とテクノロジー2022

    • 著者名/発表者名
      白井千晶、幅崎麻紀子、松尾瑞穂、嶋澤恭子他
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      勉誠出版
    • ISBN
      9784585325147
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 大学生として学ぶ 自分らしさとキャリアデザイン2021

    • 著者名/発表者名
      高丸理香、宇賀田 栄次、原田 いづみ
    • 総ページ数
      234
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      9784641184541
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 加害者家族支援の理論と実践[第2版]2021

    • 著者名/発表者名
      阿部恭子、原田いづみ 他
    • 総ページ数
      448
    • 出版者
      現代人文社
    • ISBN
      9784877987930
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 地方自治体におけるパートナーシップ制度の現状と課題2021

    • 著者名/発表者名
      原田いづみ
    • 総ページ数
      43
    • 出版者
      公益財団法人アジア女性交流・研究フォーラム
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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