研究課題/領域番号 |
19K12604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
申 キヨン お茶の水女子大学, ジェンダー研究所, 教授 (00514291)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | クオータ / 女性の政治代表性 / 韓国 / 政党 / 候補者選定 / ジェンダー / 女性議員 / 政治代表性 / 政治資金 / 実質的代表性 / 国会議員 / バックラッシュ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、議会のジェンダー公平な代表性を確保するために導入されたジェンダー・クオータ(女性候補者割当制)の効果と女性の政治的代表性に及ぼす影響を韓国の事例により分析する。韓国は、2000年代前半から女性議員を増やすために政党の候補者の一定割合を女性に当てるクオータ制度を導入したが、15年が経た現在も女性議員は20%に至らず、現行クオータ制度に疑問が呈されている。本研究は、過去15年間の政党別選挙データ及び政党関係者や女性議員への聞き取りを通じて、クオータの実施状況、クオータで当選した女性議員のキャリアパス、政党の公認過程を分析し、クオータ導入後に現れたクオータ・バッシングの諸相を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、議会のジェンダー公平な代表性を確保するために導入されたジェンダー・クオータ(女性候補者割当制)の効果とその制度が女性の政治的代表性に及ぼす影響を韓国の事例より分析した。過去20年間の選挙データや男女議員に対する独自のアンケートの調査、そして政党や議員への聞き取り調査を実施した。韓国のクオータ制は小選挙区・比例代表制の両方に適応されるが、法的拘束力のない小選挙区のクオータはほとんど守られておらず、クオータ制に対する抵抗も根強い。議会に進出した女性議員は数的に少数であることに加え、政党間の力不均等によって「女性の政治代表」としての政策を実現させることにも困難があることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はクオータが実施された以降もクオータ制が十分な効果を発揮できない原因を学術的に解明した点で大きな意義がある。女性の政治参画の壁は政治に参加する前のみ存在するのではなく、クオータが実施されて女性議員が増えても存在する。本研究は「クオータの導入」と「制度的定着」を理論的に区別し、「定着の諸条件」を明らかにすることで、クオータ・バックラッシュにも注目しつつ、これまで議論されてこなかったクオータ制導入後に続く女性の政治的代表性の障壁を明らかにした。今後日本でもクオータ制を導入する際に考慮すべきことは何かについても、実践的な知見を与えられる。
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