研究課題/領域番号 |
19K12606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松下 千雅子 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (90273200)
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研究分担者 |
三輪 晃司 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (40806147)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スポーツ / トランスジェンダー / インターセックス / フェミニズム / クィア / 世界公正信念 / アスレティック・アイデンティティ / 公正世界信念 / DSD / LGBT / 性的マイノリティ / アスレチック・アイデンティティ / 正義論 / ジェンダー / クィア理論 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、スポーツイベントの女子競技において、インターセックスやトランスジェンダーの選手の参加の是非をめぐり論争が起きている。本研究ではスポーツにおける「フェアネス」を満たすために行われるマイノリティの排除と、人権保護のためにマイノリティを包括しようとする姿勢が、いかに互いに相反しあうものであるかを確認し、こうしたコンフリクトの中で到達される「フェアネス」の構築プロセスを解き明かしていく。
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研究成果の概要 |
近年、スポーツの女子競技において、インターセックスやトランスジェンダーの選手の参加をめぐり論争が起きている。この問題は、出生時の性別と性自認の間に齟齬がないシスジェンダー女性の権利や身体の保護を目的とする従来のフェミニズムと、セクシュアル・マイノリティの人権を尊重するクィアとの間のコンフリクトを表面化させるとともに、何が公正であるかは、個々の立ち位置によって異なることを明るみにした。本研究では公正さを満たすために行われるマイノリティの排除と包括が、本質主義フェミニズムと構築主義的クィアとの間でサーキュレートすることを概念化し、その中で達成される公正さの構築プロセスを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トランスジェンダーやインターセックスの選手のスポーツ大会への参加を規定したガイドラインについて、国際的なスポーツ団体は、ここ数年の間、幾度となく修正を加えてきた。このことは、シスジェンダーでない選手に対する包括と排除が、スポーツ競技において依然して未解決の問題になっていることを示唆している。本研究では、繰り返される修正の裏にあるフェミニズム的価値観とクィア的価値観の葛藤を明らかにした。この成果は、今後のスポーツ大会の方向性を検討する際に参考となる知見を提出したことで社会的意義があるとともに、フェミニズム研究、クィア研究のあり方を問うものとして、学術的意義がある。
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