研究課題/領域番号 |
19K12608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
山崎 明子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (30571070)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ジェンダー / 手芸 / 手作り品 / 再生産 / 規範 / 手作り |
研究開始時の研究の概要 |
手作り品の社会的な価値は、どのように変化してきたのであろうか。本研究課題は、手作りに高い価値が置かれ日常的に手仕事が不可欠だった時代から、それが必須ではなくなった時代、そして他者の手仕事を購入する社会への変化を追い、その背景にある社会のジェンダー構造とモノの価値の変化を検証するものである。手作り品はいかにして価値づけられ、いかに流通するのか、そしてそれを支える表象と言説を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本課題は、手作り品の生産と消費のプロセスを歴史的検証を目的とし、ジェンダー的視点から手仕事をめぐる問題を、言説に着目して以下の点を明らかにした。 第一に、手芸的営為には常に稼ぐ/稼がないという選択肢が用意され、前者は家庭的趣味として奨励され、後者は生活手段として奨励されており、これらは女性の市場経済への動員と結びつきコントロールされてきたこと。第二に、趣味の手芸により社会参画することが求められ、女性たちを無償で社会参画させる言説のコントロールが行われてきたこと。第三に、現代の手作りブームは過去の手仕事の価値づけと大きな変化はなく、手仕事の価値を曖昧化しながら消費イデオロギーに女性を回収すること。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ジェンダー化されたものづくりの現場や流通、生産/消費、それをとりまく言説の歴史を追い、近代から現代まで続くものづくりの根底にあるジェンダー構造の一端を明らかにしている。その構造は、様々な手作りの現場の格差を生み、また稼げないものを女性化し、女性化された領域に女性等を参入させる力を孕んでいる。この構造に言及することにより、ものづくりの現場に遍在し、組織される言説のあり方を問い、公正な語りや展望を示唆することができ、今後の様々な生産の現場のジェンダー平等に寄与することができる。
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