研究課題/領域番号 |
19K12609
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
中西 三紀 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (60553146)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | チリ農業 / チリ農村女性 / チリ農業の構造変化 / チリ女性 / チリ輸出農業 / チリ女性の社会進出 / マチスモ / 輸出志向型農業 / 女性の階層性 |
研究開始時の研究の概要 |
植民地時代以来、チリの農村女性たちは長きに渡って家父長制やマチスモと呼ばれれる男性優位主義に支配され、強固な性別役割分業意識のもと家庭内にとどまってきました。しかし近年、チリにおける輸出志向型農業の隆盛とともに、経済的に力をつけた女性が増えています。本研究では、女性たちの経済力の上昇が社会的な意識の変化に結びついているのか否か、経済的条件改善が持つ効果と限界、それをふまえて、女性自身が主体となって権利を獲得するために何が必要なのかを探求することを目的としています。
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研究成果の概要 |
1970年代に遡ってチリ農業の構造変化を分析し、その延長線上に現在の生鮮果実やワインに代表される農産物輸出の拡大があることを明らかにした。農産物輸出の拡大は90年代以降のチリの経済成長を牽引する一方で、生産の現場においては「持つ者・輸出企業」と「持たざる者・季節労働者」が対極に位置し、貧富の差という植民地時代以来のチリ農村部における構造問題が再編強化されていることを明らかにした。また、これまで分析対象として大きく取り上げられてこなかったチリ農村女性を分析対象とし、こうした構造変化のなかで、彼女たちの主たる雇用形態が季節労働という特徴を色濃くもつ、非常に不安定なものであることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
チリは、グローバリゼーションの到来と手を携えて成長した途上国の輸出農業の成功例と目されている。ただし、その生産現場においては、不安定かつ過酷な状況で働く労働者の存在など、いまだ解決されていない問題が広く残存している。また、そうしたなかでも、女性の置かれている状況は男性以上に劣悪である。途上国農村部の女性たちに焦点が当てられることは少なく、彼女たちの存在は不可視化されがちであるが、男女間の格差問題や社会的公正を考えるうえで避けては通れないテーマである。こうした意味から、本研究は、学術的にも社会的にも意義あるものと思われる。
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