研究課題/領域番号 |
19K12613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
姉歯 暁 駒澤大学, 経済学部, 教授 (40259221)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 農家女性 / ジェンダー / 高齢者介護 / スウェーデン / ヘルパー養成 / 相続権 / NPO法人 / 高齢者福祉 / 給食 / ジェンダー平等 / 農村ジェンダー / ジェンダー平等政策 / 中国 / 助け合い運動 / JA / 地域機能の持続性 / 高齢化 / 農村 / 介護 / ヘルパー養成事業 / 介護事業 |
研究開始時の研究の概要 |
行政とJA(農業協同組合)の連携のもとで進められている高齢者介護事業の枠組みを「心身 の介護」「介護食による地域農業との連携」「自らも担い手となることによる高齢の介護者および被介護者自身のエンパワーメントの確保」にまで拡大し、その実施と継続性を確保するための課題とその解決のための要件を考察する。 そのために、女性を中心とする家族内介護者を地域介護の担い手として組織化してきた約40年間にわたるJAの取り組みを検証し、農家女性たちを取り巻く地域・農業生産・暮らし、家族の変化を取り入れた課題の抽出とその整理、提言をまとめる。
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研究成果の概要 |
JAのヘルパー養成事業がケア労働充足を目的とするものであり、家族内での介護を社会化することに直結されていないこと、さらに同時に農家の階級的特殊性が障壁となり、ジェンダー固定化要因としての家族内介護を止揚することにはつながらなかった。一方で、事業への参画過程で培われた人的関係、社会への関心の高まりは女性たちのエンパワーメントに繋がり、NPOの設立等の動きをもたらしたが、そのことがさらに女性たちの地域との関わり方を非経済領域に閉じ込める結果となった。 女性の自立を阻害している家庭内介護の社会化を徹底し、農業法人を通じた男女平等賃金に基づく雇用関係、実効性のある平等な分配システムの構築が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は農家女性の自立の問題を、経済理論と実地調査によって分析したものである。この分析を通じて、農家女性が「起業・就業支援」、「経営協定」締結など「農家女性」のエンパワーメント促進政策だけではジェンダー平等を獲得できないことを示し、スウェーデンとの共通点と相違点を峻別し日本と比較することで、これまで踏み込んで語られることのなかった課題を抽出し、農家女性のみならず、日本のジェンダー平等の障壁がどこにあるのかを、多面的考察を通して明らかにすることができた。また、現在進行中の農家の大規模集約的傾向がジェンダー平等の障害になりうることを示した点でもこれまでになかった分析視角を提供することができた。
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