研究課題/領域番号 |
19K12615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
柳原 良江 東京電機大学, 理工学部, 教授 (30401615)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 代理出産 / 卵子提供 / 生殖技術 / 生政治 / 市民圏 / 文化社会学 / 生殖アウトソーシング / 当事者 / 発展途上国 / 東アジア / 人種 / 第三者の関わる生殖技術 / 多国越境生殖 / フェミニズム / グローバル化 |
研究開始時の研究の概要 |
日本では生殖技術利用に対しフェミニストは勿論、人文社会系の研究者など科学技術の非専門家の加わる「開かれた議論」が、実務的なレベルでは機能しておらず、未だ特定の医師/科学者(その多くは男性である)の議論がヘゲモニーを握る状態にある。この現状を受け本研究は、代理出産や卵子提供に関する議論を中心に、そこで構築された言説を、フーコーの生政治論に沿って分析し、既存の議論における科学知と、そこに影響する男性中心的な知を明確化させる。その上でフェミニズムの議論を始め、女性達の言語化されていない声を掬いあげた議論構築の可能性を探るため、市民圏理論を援用し、より民主的な議論とそれに必要な手続きについて考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では「第三者の関わる生殖技術」の当事者であるも、従来の議論では顧みられずにいた、卵子提供者や代理母らの声を議論に組み込むため、海外でこれらの人々の置かれた状況や、彼女らのために活動する市民団体へ調査を行い、彼女らの置かれた現状について把握した。さらに日本国内における今後の当該技術に関する討議がより民主的に行えるよう、過去の言説を分析し、従来の議論に特徴的にみられた、特定の利用者の声を重視する一方で、その他の当事者の意見を不可視化させてしまう文化の構造を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
科学技術利用に関する政策決定では、全ての当事者の意見を汲みこんだ「開かれた議論」が重要である。しかし過去の「第三者の関わる生殖技術」に関する討議は、明らかに特定の当事者の意見だけを取り上げる傾向にあり、公平な議論は存在していなかった。 本研究は、従来は不可視化/隠蔽されてきた意見や現状を明らかにし、今後の議論への組み込みを可能とした。また過去に国内で展開されてきた議論の言説配置を分析し、その背景にある生政治を明確化することにより、従来の認識が、個人の自由の尊重に根差す近代的行為という形をとりながら、実際には特定の政治的発想により展開されたものである事実を示した。
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