本研究は、近年ソーシャルメディアが広がりメディア空間が再編される中でいかなるジェンダー規範が形成されているのかを明らかにするものである。ソーシャルメディアをめぐっては、従来のジェンダー規範に基づいたステレオタイプな表象が引き続き見られる一方で、女性の性的モノ化を含む動画やセクハラを糾弾する新たな動きが起き、社会の変化が促されている。同時にSNS利用には新たな規範の形成を示唆する現象も見られる。それらの検討を通じて、ジェンダー規範の現状を明らかにし、従来のマスメディアを前提に展開されてきたジェンダーとメディア研究を捉え直し、新たな時代に即したジェンダーとメディア研究を再構築する。
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