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性的マイノリティをめぐる寛容性と不可視性―社会意識と居場所の社会学的考察

研究課題

研究課題/領域番号 19K12617
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80030:ジェンダー関連
研究機関明治学院大学

研究代表者

石原 英樹  明治学院大学, 社会学部, 教授 (20282494)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード性的マイノリティ / 寛容性 / 居場所 / オンライン・デーティング / マッチングアプリ / セクシャリティ / ジェンダー / 後期近代 / 親密性 / 世界価値観調査 / サードプレイス / 社会意識 / 社会的排除
研究開始時の研究の概要

本研究は、日本における性的マイノリティの生きづらさの実態分析とサポート方策を社会学的に考察する。社会意識レベルでのサポート(寛容性など)と、組織上のサポート(NPOなど)について特に調査と分析を行う。
この研究の問題意識は2点ある。1.日本での性的マイノリティへの寛容性は上昇しているが、当事者は相変わらず不可視であり「カミングアウト」できない「二重性」がある。このメカニズムについて明らかにする必要がある 2.したがってサポートしてもらう場所、すなわち自分の性的指向などを安全に打ち明けられ、ほっとできる「居場所」が重要でありその特性を明らかにする必要がある。学校やNPOなどの具体的な調査を行う。

研究実績の概要

本研究には二つの問いがある。一つは(1)LGBTQ+(性的マイノリティ)当事者の意識だけでなく、性的マイノリティに対する社会意識(社会の寛容性の可視化、身近な領域での差別の不可視化など、多様性と排除など)を日本社会において明らかにしその要因を解きほぐすことである。これは多様性が上昇しているといわれる日本の現状が日本の特殊性によるのか、複雑な文化的要因が影響しているのかという、より広い社会意識論につながっていく。10年間の研究期間の間に劇的に社会状況は変化している。意識がそれにつれて大きく変わったのか、変わらない部分は何なのかを明らかにする。もう一つの目的は(2)LGBTQ+の生きづらさに対する居場所の先行研究を受け、その実態と意義を明らかにすることである。本年は(1)に関しては「世界価値観調査」に加え、「性的マイノリティについての意識:2015年(第1回)および2019年(第2回)全国調査」を、釜野さおり氏(早稲田大学)らの好意で使用許可された。このデータをもとに過去の研究を再検討し指導ゼミの研究報告としてまとめた。(2)については、二つの実績があった。一つは大学における性的マイノリティの居場所を確保するための公的なルールづくりを継続し、満足のいくものが得られた。2024年度はこの実装を目指す予定である。もう一つは、バーチャルな出会いの場としてのマッチングアプリ(online dating)の研究を行った。特にゲイのマッチングアプリが異性愛者向けのそれよりも以前から盛んに使われたことが知られている。アジアの研究文献でもゲイのアプリの分析が進んでおり、それらには性的な目的以外にも、「仲間をつくりたい」などの意図がみられることが明らかになった。新宿二丁目のゲイバーとアプリの役割分担がコロナ期にすすむなど、興味深い事情が明らかになった。2023年度日本社会学会において発表済。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

理由
(1)釜野氏らのデータ分析がまだ関係していない。
(2)大学の性的マイノリティサポートのためのルール作りは、メイン概念をSOGIにすることを多くの当事者やカウンセリング担当職員から指摘されたことで大きく書き換わることになった。これはLGBTQ+をめぐる事情が急速に変わってきたことの証左であり、この変化そのものを分析することも重要であると思いいたったが、さらに分析をし、砂川秀樹氏ら研究者の協力を合わせて急激な社会変化に対応するものとしたいと考えたため。
(3)マッチングアプリ(online dating)に関しては主に異性愛者の研究が優先されたため。

今後の研究の推進方策

(1)については、「世界価値観調査」と「性的マイノリティについての意識:2015年(第1回)および2019年(第2回)全国調査」の双方を使って、日本人の性的マイノリティについての意識分析を完成させたい。(2)についてはルールの大学での実装に前後して、大学生の意識についてパネル調査を行いたい。(3)マッチングアプリ(online dating)については、当事者のインタビューを行い、異性愛者のアプリにおける選択条件との比較をはじめている。(4)研究協力者として、セクシャルマイノリティへの法的サポートの研究をしている明治学院大学大学院生中川花音氏を研究協力者として迎えることとなった。氏は法的なサポートについて社会の価値観との関係を考察しており、(1)について有益な結果がみられると期待される。この研究は本年度後半にシンポジウムで内容を開陳するほか、国内外の学会における発表を予定している。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2021 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] 日本の「フェミニズム第三波」とはなんだったのか2023

    • 著者名/発表者名
      高橋幸・石原英樹
    • 雑誌名

      woke

      巻: 1 ページ: 12-16

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 異質な他者へのサポートから展開する性的マイノリティへのサポート2021

    • 著者名/発表者名
      石原英樹
    • 雑誌名

      明治学院大学社会学部付属研究所年報

      巻: 51 ページ: 243-249

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 出会いメディアから見る親密な関係形成の現在;マッチングアプリ利用者調査2022の結果から(1)2023

    • 著者名/発表者名
      石原英樹・高橋幸・鬼頭美江・山田順子
    • 学会等名
      日本社会学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「効率のいい恋愛」という新たな経験の諸相;マッチンググアプリ利用者調査2022の結果から(2)2023

    • 著者名/発表者名
      高橋幸・石原英樹・鬼頭美江・山田順子
    • 学会等名
      日本社会学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 数理社会学事典2023

    • 著者名/発表者名
      数理社会学会 数理社会学事典刊行委員会
    • 総ページ数
      782
    • 出版者
      丸善出版
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] 講演「性的マイノリティーの職場体験とキャリアプラン2019

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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