研究課題/領域番号 |
19K12618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松前 もゆる 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90549619)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 国際労働移動 / ジェンダー / ケア / 仕事観 / 家族観 / ブルガリア / EU / エッセンシャル・ワーカー / 世代間関係 / EU / グローバルなケアの連鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、社会主義体制の崩壊やEUの東欧への拡大をきっかけとして2000年頃から増加した、西欧で家事・介護労働者として働くブルガリア出身の女性たちの子ども世代が、ブルガリアあるいは国外で働き、家庭を持つ年代となった現状をふまえて立案された。国外での出稼ぎを経験した女性とそうした母親を持つ子どもたちが、現在、労働とケアの主体としていかなる仕事観・家族観を持ち、誰が・どこで・どのような活動(仕事やケア)を実践しているのか、そのことは出身社会の仕事観や家族観、世代間関係を再編しつつあるのかを、ブルガリアおよび移動先でのフィールドワークを主たる方法として実証的に明らかにすることが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
本研究では、ブルガリア村落部の出身で国際労働移動を経験した女性たちとその家族への聞き取りを主たる手法として、まず、2000年代以降に母親の国際労働移動を経験した子ども世代が、成人後、仕事やケア、家族をめぐっていかなる実践をしているのかを実証的に明らかにした。そのうえで、当該地域の仕事観や家族観、ジェンダー規範は再編されつつあるのか、母親世代と比較したとき、若年層の仕事観・家族観の特徴を見出しうるのかを検討した。子ども世代にも母親らを頼って国外で働く選択をする者は少なくないが、同時に、子ども世代の戦略は上の世代とは異なり、家族単位での移動が前提となるなど「再家族化」の傾向が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、従来は「子ども」として親世代の経験との関係で考察されることが多かった移住労働者の子ども世代に関し、成人後、労働やケアの担い手としていかなる選択をし、実践をするのかを実証的に明らかにしたうえで、世代間ケアの現状、現在の「ケアの連鎖」のありようを考察した点に意義がある。さらに、ブルガリア村落部出身者の多くが移動先で「エッセンシャル・ワーカー」として働いてきたことから、コロナ禍にあって人々はどのように働いてきたのか、コロナ禍を経て「エッセンシャル・ワーカー」をとりまく状況や人々の「仕事」とケアの諸相は変容するのか、を考えることにつながる基盤となる調査研究ができたと考えている。
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