研究課題/領域番号 |
19K12621
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
山森 亮 同志社大学, 経済学部, 教授 (90325994)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 女性解放運動 / インターセクショナリティー / 経済思想 / 社会的存在論 / ジェンダー / ベーシックインカム / オーラルヒストリー / フェミニスト経済学 |
研究開始時の研究の概要 |
1970年代英国女性解放運動参加者へのオーラルヒストリー調査を行い、彼女たちの経済理解を「草の根」の経済思想として再構成し、またそれが主流派経済学批判としてのフェミニスト経済学の理論的展開にどのように貢献しうるかを分析する。本研究では、理論や思想の研究にオーラルヒストリー調査を使う比較的新しい方法論を用いる。 研究内容のもつ含意としては、今日日本が直面する具体的な課題との関係では、普遍的現金給付の持つ意味やサービス給付/条件付き現金給付との関係を、ジェンダーの視点で分析するという喫緊の課題に対して、歴史的・思想的な観点から新たな視座を提供しうることがあげられる。
|
研究実績の概要 |
年度初め時点での、新型コロナウィルスの感染拡大とその防止措置諸状況の推移の不透明性などにより、当初予定していたフィールドワーク、インタビュー調査、アーカイブ調査などは難しくなった。そのため研究計画をやや変更し、以下のことを行った。第一に、オンラインで可能な範囲で、インタビュー調査を継続。このインタビュー調査に関連して、英国の学術誌History Workshop Onlineのオンライン企画に招待され、寄稿した。第二に、オーラルヒストリーと経済思想の関係について、経済思想史領域におけるdiversityを求める研究者グループと交流しながら、経済思想史的および理論的研究を進めた。その成果について国際学術誌に招待され、寄稿し、修正のうえ、アクセプトされた。第三に、これまでのオーラルヒストリー調査やアーカイブ調査から浮かび上がるベーシックインカムの歴史と定義とジェンダーとの関係について、ドイツ、アメリカ合衆国、カナダ、アイルランドのジェンダー研究者と共に、国際会議での二つのシンポジウムを企画し、一つでは座長を、もう一つではシンポジストを務めた。また同内容について、アメリカ合衆国での国際会議に招聘され、報告を行った(こちらの事情でオンライン参加)。第四に、Cambridge Social Ontology Groupでの毎週のオンライン研究会に参加しなたら、「経済理論におけるneed概念の分析」を継続している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
オーラルヒストリー研究について、英語圏の歴史学会での評価を得るようなアウトプットを出すことについては、本研究終了後になるだろうと予想していたが、幸い、英国の伝統ある学術誌History Workshop Journalより、同誌のオンライン企画に招聘され、アウトプットの機会を得た。また、理論的側面の研究が当初の予定以上に順調に進んでおり、その部分的成果を含む論文の、経済思想史の国際学術誌の特集号に招聘され、投稿後、査読者のコメントに従い修正の後アクセプトされた。 フィールドワークを伴う部分の研究は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う諸状況により、当初の予定通りの進行は困難となったが、すでに信頼関係のある調査対象者の方々の一部とはオンラインでインタビュー調査を行うことができている。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、職場の夏季休業を利用して渡英し、コロナ禍でできなかったフィールドワーク、インタビュー調査、アーカイブ調査を行う予定である。また、研究成果について、発表について国際会議からキーノートスピーカーとして招聘を受けており、報告を行う予定である(韓国・梨花女子大学。私の報告はオンラインでの対応をお願いしている)。またドイツ・フライブルグ大学におけるワークショップでも報告予定である。理論的な研究成果について、国際学術誌の特集号に招聘されており、来夏の締め切りに向けて、執筆を進めていく。
|