研究課題/領域番号 |
19K12643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山内 知也 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (40211619)
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研究分担者 |
楠本 多聞 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 計測・線量評価部, 研究員 (90825499)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ポリアリルジグリコールカーボネート / ポリエチレンテレフラレート / イオントラック / 固体飛跡検出器 / 検出閾値 / 赤外線分光分析 / Geant4-DNA / PADC / PET / エッチング型飛跡検出器 / イオントラック内径方向電子フルエンス / 2次電子の相互作用数 / ポリエチレンテレフタレート / イオントラック形成機構 / イオントラック構造分析 / 径方向電子フルエンス |
研究開始時の研究の概要 |
ポリアリルジグリコールカーボネートPADC中ではイオントラック形成時に2個以上の電子による段階的損傷形成機構が働き、これが高い感度を実現させている。同機構の物理的化学的性質を理解することがより高い感度を持つ検出器開発には必要不可欠である。本研究では真空中温度制御型及び雰囲気制御型のイオン照射その場赤外線分光分析を行う。さらに複数の電子による衝撃及び隣接する分子切断の相互効果を評価するために30 eV以下の低エネルギー電子及び単色紫外光照射実験を行い、同機構の分子論的な基礎を明らかにする。新しい物理指標として2次電子数密度に着目するイオントラック内径方向電子フルエンスREFITを確立する。
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研究成果の概要 |
ポリアリルジグリコールカーボネート(PADC)とポリエチレンテレフラレート(PET)中における潜在飛跡構造と形成機構について研究した。プロトンと重イオンのトラック構造とサイズは赤外線分光法によって評価した。低LET放射線の実験から、PADC繰り返し構造内の放射線高感受性領域の電子ヒットによる多段階損傷機構が認められ、イオントラックの層構造が電子ヒットの数によって説明できるようになった。また、径方向に2つ以上の繰り返し構造が損傷を受けた場合にエッチピットが生じることも明らかにした。Geant4-DNAコードによるモンテカルロ計算を行い、検出閾値を記述する新しい物理的パラメータを提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エッチング型飛跡検出器は、高エネルギーイオンの通り道をエッチング処理によって顕微鏡下で観察可能なエッチピットに拡大し、そのサイズや形状からイオンを同定する受動型放射線検出器である。特定のイオンのみが検出される固有の検出閾値を有することが一つの特徴であり、宇宙放射線や高強度レーザー加速イオンの検出等に利用されている。イオンが単位長さあたりに付与するエネルギーが大きいとエッチピットは形成されやすいが、本研究ではイオントラック内における2次電子のヒット数との関係で閾値が記述できることを示した。これにより閾値を制御し得る分子配列を議論する道が開かれた。DNAなどの生体高分子の損傷評価にも応用できる。
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