研究課題
基盤研究(C)
触媒研究においては実用状態の機能探索が主に行われているが、その素過程の正しい理解、すなわち活性点である表面のモルフォロジ変化を明確にしつつ、機能解明することが新たな課題となっている。本研究は、光触媒材料であるアナターゼ型チタニアの未解決の表面原子配列を、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法をもちいて解明する。加えて、光触媒作用における長年の議論を決着させるため、酸素、水素、水などの雰囲気やその場で光照射できる環境を試料準備チェンバ内につくり、疑似的な触媒反応環境下における表面モルフォロジ変化を、原子配置の観点からTRHEPDで精緻に明らかにする。
本研究では、anatase型TiO2 (001) (4×1)表面の構造決定を試み、add-moleculeモデルが、一連のTRHEPD実験結果を説明できることが分かった。これにより、20年間議論されてきたanatase型TiO2 (001) (4×1)表面の構造モデルの議論に決着をつけた。TRHEPD構造解析において原子配置の精緻かつ高速な解析を可能にするデータ科学的手法の導入にも成功した。今後の研究展開として、anatase型TiO2 (101) (1×1)表面の、“時間分解”構造解析の手法開発についても掘り下げて行きたい.
Anatase型TiO2(001)(4×1)表面構造を決定し、add-moleculeモデルが、一連のTRHEPD実験結果を説明できることが分かった。これにより、20年間議論されてきた構造モデルの論争に決着をつけた。また、TRHEPD構造解析において原子配置の精緻かつ高速な解析を可能にする汎用表面構造解析ソフトの開発&導入に成功した。これにより、経験の乏しいユーザーでも経験者に匹敵する解析を,自動かつ簡便に行うことができるようになった。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件) 備考 (2件)
Comput. Phys. Commun.
巻: 271 ページ: 108186-108186
10.1016/j.cpc.2021.108186
Acta Physica Polonica A
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10.12693/aphyspola.137.188
https://www2.kek.jp/imss/spf/
http://pfwww.kek.jp/slowpos/