研究課題/領域番号 |
19K12660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊原 久裕 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (20193633)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ピクトグラム / アニメーション / アイソタイプ / フィリップ・ラーガン / カナダ国立映画庁 / 情報デザイン / グラフィックデザイン / デザイン史 / 1940年代 / プロパガンダアニメーション / pictogram / animation / Isotype / Philip Ragan / 情報アニメーション / isotype / design history / information design / 情報映画 / ノイラート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アイソタイプを用いたアニメーション映画を、アニメーションによる情報デザインの先駆的試みとして歴史的に位置づけることを目的とする。この試みが孤立した試みでないことを示すために、とりわけ1930年代以降の米国でアイソタイプに影響を受けて製作されたアニメーションに注目する。具体的には米国で戦前、戦時中から冷戦期をまたいで活動した無名のデザイナーのフィリップ・ラーガン(Philip Ragan)を主にとりあげ、その業績調査とともに、ノイラートのアイソタイプ・アニメーションとの比較分析を通して、アニメーションを用いた情報デザインの歴史的展開の一端をあきらかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、ピクトグラムを用いたアニメーションの歴史研究として、アイソタイプのアニメーションと同時期に活躍した建築家F.ラーガンの活動を取り上げ、その内容を明かにした。合わせて戦時下の北米のアニメーションを対象にピクトグラムのアニメーションへの利用状況の調査を行い、ジャンルとしてのピクトグラム・アニメーションの可能性を検証した。 その結果、ラーガンのアニメーションは例外的な存在であり、ジャンルとしてのピクトグラム・アニメーションの成立には限界があるとの結論に至ったが、ピクトグラムとアニメーションの結びつき自体はピクトグラムの視覚文化としての可能性を示唆する出来事として今後の研究への足がかりとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた成果は歴史的知見であるが、この研究により戦間期の北米のピクトグラムの展開の多様性を改めて示すことができた。ピクトグラムとアニメーションとの関係のみならず、カートゥーンとの関係も視野に入れることで「文化としてのピクトグラム研究」の可能性を示した。また、アニメーションやカートゥーンへの拡張が試みられたこの時代のピクトグラムの多様なあり方は、現代においても、多様性への対応という社会課題に直面している標準化ピクトグラムのあり方の今後の方向性を考えてゆくうえで示唆に富む存在であると考えられる。この点を示唆したことに本研究の社会的意義があると考える。
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