研究課題/領域番号 |
19K12666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
新井 竜治 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (20389810)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 籐家具・籐工芸・籐製品・籐椅子 / 西京丸・台湾椅子・海老椅子・三折寝台・長寝台 / 進駐軍・GHQ・Paul T. Frankl / Qデザイナーズ・渡辺力・松村勝男・剣持勇 / 全国籐製品新作品評展示会・全籐連展・籐竹 / 小菅恭太郎商店・小菅商店・小菅工業・コスガ / 風間製作所・カザマ・マダムロタン / 山川ラタン・ワイ・エム・ケー長岡 / 全国籐製品新作品評展示会 / 全籐連展 / モダニズム / Qデザイナーズ / 剣持勇 / ポストモダニズム / 古写真 / 内国勧業博覧会 / 籐家具 / コスガ / カザマ / 籐竹産業 / 進駐軍家族住宅 / Paul T. Frankl / 西京丸 / 籐製三つ折り寝椅子 / 籐工芸 / 籐製品 / 籐椅子 / 籐竹 / 山川ラタン / デザイン / 技術 / 自然素材 |
研究開始時の研究の概要 |
籐家具は、自然素材を活用し、夏涼しく、軽量で持ち運びし易いため、高温多湿で、高齢化が進んだ現代日本住居に適した家具である。本研究では、籐家具メーカー、百貨店・家具小売店等を訪問し、現存する籐家具現物・製品カタログ・販売促進物・記録写真・実際の作業工程等を徹底的に調査するとともに、籐家具のデザインと技術に関する国内外の図書を渉猟して、近現代日本の籐家具のデザインと技術を系統立てて明らかにする。本研究の成果により、日本のデザイン史研究が進展するとともに、籐家具の新たなデザインと技術の開発が活発化するものと期待される。
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研究成果の概要 |
近代日本初期の籐家具デザインは中国大陸から伝えられたものであり、日本全国共通で、籐編み模様などの細部で変化を付けていた。国産竹材と輸入丸籐(細い皮付籐材)による骨組みに、輸入皮籐/芯籐を巻き、座面・背面・甲板には皮籐/芯籐編みを施すもので、直線的デザインであった。 1930年代後半に太民籐材(太い籐材)の直輸入が本格化すると、太民籐材を骨組みとする曲線的デザインが台頭した。 日本の籐家具のモダンデザインは、1930年代ドイツの影響で発芽し、1940年代アメリカ・GHQの影響を受けて出芽して、1950年代Qデザイナーズ・剣持勇によって開花した。1980年代以降は、ポストモダンデザインも見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦前日本の中流階級上層部にまで広まり、戦後は一般大衆にまで浸透した籐家具は、自然素材を活用し、夏涼しく、軽量で持ち運びし易いため、高温多湿で、高齢化が進んだ現代日本住居に適した家具である。本研究の成果により、日本家具史の研究が発展するとともに、日本の籐家具のデザイン開発と技術開発の進展が期待される。 また、籐家具のデザインと技術は全世界の多くの国々で独特の発展を遂げながら、相互に影響し合ってきた。これまで近現代日本の籐家具の体系的研究書の発行は皆無であり、本研究が日英両文で発行されると世界のデザイン研究者及びデザイン実践者に大きな影響を及ぼすことになると有望視される。
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