研究課題/領域番号 |
19K12691
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
|
研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
山崎 晃男 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (40243133)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | BGMに対する態度 / 音楽の機能 / 音楽への反応性 / 認知的課題 / 職場でのBGM / 自己決定性 / 聴覚過敏性 / BGMへの態度 / ながら勉強 / 音への敏感性 / インターネット調査 / 認知課題 / 気分状態 / BGM / 覚醒的音楽 / 鎮静的音楽 / メンタルヘルス / オフィス / ストレスレベル / 課題成績 |
研究開始時の研究の概要 |
課題遂行時のBGMが課題成績とストレスレベルや気分に及ぼす効果について、様々なタイプの課題に対して肯定的な効果を及ぼすBGMのタイプを決定するとともに、性格特性に応じてBGMの効果を最大化する音量を明らかにする実験室実験を行う。その際、ストレスレベルの測定には、主観的評価だけではなく、生理的指標に基づく客観的な評価を行う。その結果を踏まえて、様々な性格特性の人が混在する中で様々なタイプの業務が同時に遂行されるというオフィス環境の下でBGMの効果を最適化することを目指したゾーン別音量制御デザインを作成し、実験室および実際のオフィス空間においてその有効性を検証する。
|
研究実績の概要 |
当該年度は、前年度末に実施した質問紙調査の分析を行い、BGMに対する態度、聴取者が音楽に求める機能、聴取者の音楽への反応性、聴取者の性格特性、聴覚過敏性等といった個人特性間の関係について検討した。その結果、様々な状況でのBGMに対する態度と音楽に求める機能あるいは音楽に求める機能と音楽に対する反応性との間に一定の相関がみられるなど、BGMに対する態度に関わる要因について新たな知見を得ることができた。また、後半になってCOVID-19の感染状況が落ち着きを見せたため、実験室内での心理実験を再開した。実験では、防音室にて実験参加者に、覚醒的BGM、鎮静的BGMもしくは無音の条件で認知的課題として計算課題を課し、そのパフォーマンスと課題遂行中の心拍を測定するとともに、課題前後の気分について日本語版POMSを用いて測定した。また、音楽の評価と課題遂行との関係について検討するため、課題遂行ありとなしの両方の条件で楽曲の印象評定も求めた。実験は継続中であるが、現時点で、BGMは課題遂行にあまり影響しないが、課題遂行によるネガティブな気分変化を抑制する可能性があること、課題遂行時と非遂行時とではBGMに対する評価に違いがあること、などの予備的な結果が得られている。これらの結果は、本研究が目指す「オフィス空間におけるメンタルヘルス向上のためのBGMデザインの開発」にとって有用であると考える。 なお、以上の結果の一部は、2023年度に開催される2つの国際会議(The 17th International Conference on Music Perception and Cognition, The 39th Annual Meeting of the International Society for Psychophysics)において発表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、BGMが認知課題遂行成績および生理指標によって測定される客観的なストレスレベルに及ぼす影響についての実験室実験を実施し、BGMの効果と実験参加者のBGMへの態度・BGMへの評価・性格特性との関係を明らかにする予定であった。しかし、COVID-19の流行のために、閉鎖空間である実験室内での実験は、後半になってようやく開始することができた。そのため、前半では前年度末に実施したインターネットを通じた質問紙調査の分析を行った。計画していた心理実験が実施できなかったことは、COVID-19の流行によるやむを得ないものであったとはいえ、研究の進捗状況としてはネガティブに評価せざるを得ない。このことから、進捗区分を(3)と評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、まず2023年度前半において、2022年度後半から実施中の、BGMが認知課題遂行成績および生理指標によって測定される客観的なストレスレベルと主観的ストレスに及ぼす影響についての実験室実験を継続し、それらの影響と個人特性との関係について検討する。後半には、前半の実験結果を踏まえて、認知的課題遂行中に流されるBGMが参加者のメンタルヘルスを向上させることのできる条件(BGMの種類と音量、BGMに対する態度や聴覚過敏性といった個人特性)について明らかにする実験室実験を実施し、実際に適用可能なBGMデザインの開発へとつなげていく。
|