研究課題/領域番号 |
19K12700
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
永田 好克 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 准教授 (70208023)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 人文情報学 / 地名辞書 / メコン河中流域 / 地図 |
研究開始時の研究の概要 |
現代の地名を対象とするデジタル地名辞書は充実してきたが、過去の地名を対象とするものはまだ数多くの取り組みが必要である。本研究では、共通の概念で理解する地名が異表記文字下で数多く存在するタイとラオスにまたがるメコン河中流域を対象として、地名履歴デジタル辞書を構築することを目的とする。古い地名や民族由来の言葉が残る地名が記載された地図資料の探索を地図資料の所蔵が豊富な米国国会図書館を中心として行う。また、現代の地名とは異なる古い地名を伝え知る長老らへの聞き取り調査をタイ東北部にて実施する。文献資料ならびに聞き取り調査で得た情報を総合して、地名履歴デジタル辞書の開発と実地における検証を進める。
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研究実績の概要 |
本課題の当初の3年間の期間中に、タイおよびラオスの地名履歴データを構築と運用における改善をはかるために必要な調査として、タイにおける聞き取りによる村落レベルの古い地名に関する情報の収集を進めることを複数回予定していた。延長した本年度こそは新型コロナウィルス感染症の状況改善を待ってタイにおける現地調査を行いたいと切望していたものの、現地調査時の相手方の心象を斟酌する限り時期尚早と判断し、見送った。従って、古い地図に記載されていない地名の聞き取りなど、地名履歴の構築を前進させるための記憶に頼る情報の収集は実施できていない。 もう一つの本課題で計画していた海外渡航を伴う資料調査は、訪問先が限定され先方関係者の心象を損なう可能性が低いことから、本課題1年目以来3年ぶりに実施することができた。この資料調査により、タイ国東北部およびその周辺国における地名履歴に関連した数多くの貴重な地図資料に接することができた。 本年度は3年ぶりに実施できた資料調査で収集した地図資料を含めたこれまで収集済みの資料の整理、ならびにこれらからの地名データの拾い出しと整理を主に行ってきた。また、地名データの構造化記述による整理について、適切と考えるツールやデータ記述の長期継続的な活用に関する技術的な検討を行いつつも、資料群の増加によって方針を定めるのに躊躇する部分があることが現状となっている。 なお、タイ東北部と南側に隣接するカンボジアにまたがる地域の地名の共通性に関した研究報告を国際会議の場で行うことができ、古い地名の地名変遷を記録し学術的な情報として共有していくことの意義について議論を深めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
国内外において新型コロナウィルス感染症による渡航制限が2019年度末ごろから続き、ようやく、所属組織が必要性を精査したうえで海外渡航を許可するようになったことから、辛うじて国際会議における研究報告と、あまり多くの人と接することがない地図資料調査を行うことができた状況である。聞き取りを中心とした現地調査は引き続き見送ったため、本課題で主要とする調査活動の両輪のうち片輪しか実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
本邦が入国にあたって他国に比して慎重な運用を継続していることや、特性上現地調査においては比較的多くの人と接することになることから訪問先での心象が今後の活動に及ぼす影響を見極める必要があるものの、観光目的での往来が徐々に回復しつつあることから、今年度内には現地調査を行うことができると期待し、準備を進めていきたい。また、国際会議等において研究報告を行い、成果を今後に引き継いでいきたい。
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