研究課題/領域番号 |
19K12710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 昭和女子大学 (2022) 国立歴史民俗博物館 (2020-2021) 国文学研究資料館 (2019) |
研究代表者 |
三野 行徳 昭和女子大学, 人間文化学部, 講師 (30714224)
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研究分担者 |
黒田 格男 伊達市噴火湾文化研究所, その他部局等, 学芸員 (60885432)
伊達 元成 伊達市噴火湾文化研究所, その他部局等, 学芸員 (70620897)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 明治維新 / 北海道移住 / アーカイブズ / アイヌ / 士族 / 仙台藩 / 亘理伊達家 / 武家 / 地域資料 / 歴史情報 / 蝦夷地 / 北海道 / 移住 / 分領支配 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、北海道の歴史的経験と深く関わる二度の分領支配と関わって、全国の大名家のアーカイブズのなかに残された、近代移行期の北海道の歴史情報の収集・組織化を目指すものである。幕末~明治期の北海道では、多くの人の移動にともない、前近代の北海道の記録が東北に、前近代の諸藩・領主の記録が北海道に持ち込まれるなどの事態を惹起した。明治維新前後の蝦夷地・北海道の分領支配との関わりのなかで分断状況にあるアーカイブズを、分領支配という歴史的経験によって結ばれた両地域の共有の歴史遺産として、整理・保存・研究・活用の途を目指すことが、本研究の目的である。
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研究実績の概要 |
本年度も引き続き、コロナ禍の影響により北海道や東北地方での充分な調査が行い得なかったため、これまでに調査を進めていた資料を対象に、研究協力者や現地関係者とオンラインでの研究会や資料目録作成を行い、以下の点について成果を得た。 ①北海道伊達市所在の資料の目録作成、②研究成果の論文集刊行のためのオンライン研究会の実施、③亘理町での資料整理、を中心に進めた。 ①は、北海道伊達市所在のa.田村家文書およびb.佐藤家文書に加え、新たにc.大雄寺所蔵資料の整理を進めた。田村家文書は亘理伊達家重臣の家であり、これまで、同家所蔵資料の調査を進めてきた。本年度は、同家資料の目録刊行前の最終点検を行い、最終年度の刊行準備を整えることが出来た。佐藤家文書は新出の亘理伊達家重臣資料であり、基礎的な整理作業を終え、伊達市および亘理町での公開・活用の準備をはじめた。地元団体による翻刻作業も開始することができた。cは今年度に新たに発見された史料であり、地元の市民団体と共同で整理の準備を開始し、概要の整理を終えることが出来た。これらにより、コロナ禍で充分に現地調査ができない状態でも、市民団体と共同で史料整理や保存公開の準備を進める体制が構築されつつあることが、大きな成果である。 ②は、本科研代表・研究協力者・現地関係者とともに、武家の北海道移住についてのオンライン研究会を開催し、研究成果をまとめた。 ③は、亘理町所在の亘理伊達家関係資料の調査を進めるとともに、伊達市に所在する史料の翻刻を行い史料集作成の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の課題は、①北海道に所在する前近代の諸大名・武家等の資料情報、②東北等の諸大名家文書等に所在する前近代の北海道(蝦夷地)に関する資料情報を組織化するとともに、③そうした事態を惹起した明治初年の武家の北海道移住についての研究を進めることである。そのためには、北海道及び東北地方での資料調査や現地関係者、資料所蔵者との調整が欠かせないが、本年度もコロナ禍の影響で、東北地方での調査は1度しか行えなかった。新資料の発見はあったが、現地での整理を完了することはできなかった。そのため、既に調査を進めていた資料の写真データをもとに、目録や史料集の作成を進め、武家の北海道移住についての研究報告会を行うことで研究を進めた。 以上のことから、目録や史料集の作成、研究会を行うことはできたものの、実地での調査は充分に行えなかったことから、やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はさらに1年の再延長が認められたため、2023年度に、①亘理伊達家家臣の資料目録の刊行②研究成果をまとめた論文集の刊行によって成果を公開すると同時に、③亘理町での地域史編さんに協力し、研究成果の地域への還元、共有を実現する。 ①②の実現のためには現地での最終確認が必須であり、上半期にできるだけ現地での資料確認を進め、下半期での成果の公開を目指すとともに、③亘理町でも調査・整理を進める。
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