研究課題/領域番号 |
19K12722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
須賀 千絵 実践女子大学, 文学部, 講師 (80310390)
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研究分担者 |
汐崎 順子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 講師(非常勤) (50449021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 読書 / 子ども / 読書体験 / 公共図書館 |
研究開始時の研究の概要 |
公共図書館で実践されている「楽しみのための読書」の効果について,これまで十分なデータによって実証されたことはほとんどない。本研究では,特に効果の高いと思われる成人になっても記憶に残る読書体験に着目し,これを「心に残る」読書と定義する。 本研究の目的は,大学生の「子ども時代の読書」についてのレポート調査と社会人に対するフォーカス・グループ・インタビュー調査の結果に基づいて,子ども時代の「心に残る」読書がどのような要件をもって形成されるか,そしてその「心に残る」読書が,成人になってからの意識や行動にどのように影響をもたらすかを明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
本研究では、「読者の心を動かし、大人になっても記憶に残る読書体験」を「心に残る読書体験」と定義し、その形成要素と要素間の関係を構造的に分析し、その長期的効果について知るために、20代から60代までのインタビュー調査を実施した。その結果、「心に残る読書体験」の要素は「テキスト」「コンテキスト」「読者」の観点から分類できること、現在の視点で再構築された読書体験には、過去から構想された未来、または未来から方向づけられる現在の内容を含む例も見られ、読者のアイデンティティの形成に寄与しうることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の読書研究の多くは、読書体験や効果は客観的に把握できるという前提に基づく研究であったのに対し、本研究は、読書経験や効果は主観的に構成されるという新たな立場で研究を進めた。従来の客観主義の研究に対し、新たに構成主義的な観点による読書研究の可能性を開いたものであり、本研究には学術的な意義がある。 近年、子どもの読書は世界的な政策課題となっているが、その長期的効果は明らかになっていない。本研究は、現代の政策課題の根拠を示したものであり、社会的意義が認められる。さらに、本研究期間中の新型コロナウイルス感染拡大による子どもの読書環境の変化についても調査を行い、歴史的記録を残すことができた。
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