研究課題/領域番号 |
19K12758
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
江藤 比奈子 九州大学, 先端医療オープンイノベーションセンター, 特任助教 (30557632)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | DNP-MRI / ニトロキシルラジカル / ROS / レドックス / アトピ-性皮膚炎 / 窒素同位体 / 同位体 / アトピー性皮膚炎 / 15N ニトロキシルラジカル / 酸化ストレス / CoQ0ラジカル / 生体分子イメージング / 活性酸素種(ROS) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アトピー性皮膚炎の重症度と、生体計測した活性酸素種(ROS)の情報の相関を解析して、ROSをバイオマーカーとした、今まで診断できなかった皮膚組織中の微細な炎症が検出できる、アトピー性皮膚炎の炎症評価法を確立する。まず3種類のラジカルプローブを用いて、同時に皮膚組織中の局在性の異なったROSの増減情報を得る事のできる、イメージングシステムを確立する。このイメージングシステムを用いた、重症度の異なる皮膚炎のROS情報と、皮膚病理組織検査などのin vitro情報とを統合解析する事で、炎症レベル評価法を確立して、アトピー性皮膚炎モデルマウスで実証検証を行う。
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研究成果の概要 |
動的核偏極磁気共鳴画像(DNP-MRI)装置で生体内に投与したラジカルプロ-ブのラジカル減衰を画像解析する事で、生体内の炎症による活性酸素種(ROS)やROSに起因したレドックス状態(酸化還元バランス)を非侵襲に解析する事ができる。本研究ではアトピ-性皮膚炎モデルマウスで、細胞内または細胞外で反応する2種類のプロ-ブの同時撮像解析方法を確立した。これを用いて、皮膚炎が目視では鱗屑(角質層の剥離)などの軽症でも、皮膚組織内では炎症や皮膚厚亢進が起こっている事、重症化の手前で炎症細胞によるROS発生が最も高くなっている可能性がある事を、ラジカルプロ-ブのラジカル減衰速度の変化で捉える事ができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成人のアトピー性皮膚炎患者は社会的ストレスなど複雑な要因が相まって、炎症のコントロールが長期化、複雑化する。またステロイド忌避感情など慢性治療への足かせとなっている。治療継続の指標となる、『潜在的な炎症が残っている期間』を明確にする為にも、見えない皮膚炎を数値化できるバイオマーカーが必須である。本研究でのラジカルプロ-ブのラジカル減衰速度変化は、目視での軽度から中度の皮膚炎と相関した減衰速度の上昇として非侵襲に捉える事ができ、皮膚炎を数値化するバイオマ-カ-と成り得る可能性が示された。
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