研究課題/領域番号 |
19K12763
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
関谷 佐智子 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00398801)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 腎オルガノイド / 血管化 / メカニカルストレス / pericyte / 分泌因子 / 血管新生阻害 / 物理因子 / 自己血管化 / 3次元組織 / かん流培養 / 組織工学 / 腎 / オルガノイド / 血管構築 |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓の組織工学における組織内血管化は腎臓の機能化に必須である。組織工学においては、生体内外における血管内皮細胞等、組織内細胞による血管化が報告されている。一方で、iPS細胞由来腎オルガノイドは、誘導された自己細胞での血管化が乏しく、移植後は宿主血管からの血管侵入が優位となることが報告されており、血管内皮細胞等血管構築細胞の基本的性質が関わるのか、これらの細胞への周辺環境、血流等や周囲細胞の性質が関係するのか、メカニズムが不明瞭である。本申請研究は、腎オルガノイドを材料とし、組織工学における組織特異的血管化必要因子の探索・検討を行うことで、組織ごとの機能血管化の原理解明を目的としている。
|
研究成果の概要 |
ヒトiPS細胞から誘導する腎オルガノイドは内部に血管様構造を有するものの、糸球体・傍尿細管血管への発達は乏しい。そこで、本研究課題は、腎オルガノイドでの自己血管化要因の探索を目的とし、オルガノイド内血管内皮細胞に対するオルガノイド内の共存細胞が与える影響およびメカニカルストレスに着目して検討した。その結果、腎オルガノイド内には腎特異的血管内皮細胞が発生し、その増殖・維持がオルガノイド内の間葉系細胞分泌因子で促進され、かん流刺激付与が構造発達と外部血管内皮細胞との連結を促進した。したがって、自己血管化因子として、共培養する細胞側要因およびメカニカルストレス双方が重要であることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は腎オルガノイド内部に誘導される血管ソースの重要性とその活用のためのメカニカルストレスの必要性を示唆した。PericyteはPDGF-PDGFRを介して血管内皮細胞に作用し、維持に必須であり、さらには血管内皮細胞もしくはpericyteへのかん流刺激に応答するPEZOやplexin等の因子がこれらの発達に不可欠であることが推測され、今後の生体内外での腎オルガノイドの成熟化に需要な知見が得られた。また、これらは生体外での腎血管に対する薬剤試験モデルの開発や、腎血管に関わる病態解明・治療開発研究への発展が期待される。
|