研究課題/領域番号 |
19K12775
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
川村 隆三 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (50534591)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 運動界面 / がん細胞 / 接着挙動 / 細胞分離技術 / 力学計測 / モータータンパク質 / キネシン / 微小管 / 細胞接着 / 力学刺激 / アクチン細胞骨格 / 細胞分離 / 細胞診断 / 転移性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞スケールの揺らぎ力学刺激を与えることで、がん転移の本質に迫る新しい細胞計測の指標獲得を狙う。独自に開発した『運動界面』では、がん細胞の特異な変形挙動を見いだしている。細胞の変形性から転移能を診断する技術への発展を目指し、運動界面設計の自由度を高めて微小動力学刺激環境がもたらす新しい細胞計測指標を導出する。転移につながる挙動を効果的に顕在化するため、運動界面の動力学設計の最適化 と細胞集団が発する力学揺らぎの計測 を行う。また、力学刺激に応答する細胞群を回収して高転移性がん細胞のモデル株樹立にも挑む。
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研究成果の概要 |
架橋した微小管のネットワークとキネシンでマイクロメートルの揺らぎを発する材料「運動界面」を基板上に構築し、細胞の動的力学環境としてがん細胞の転移性を調べるツールの実現を目指した。運動界面の発する揺らぎ運動の動態追跡や出力の直接計測によって力学的な解析を進めた結果、撹拌効果の方向特性や出力の定量的な解明に成功した。運動界面の微小な揺らぎの力学場に加えて、プログラム運転可能な流路系を構築して組み合わせることで、動的力学環境下での挙動に応じて細胞を分画する技術を確立した。今後、臨床応用に有意な細胞解析技術へと発展させるために医科大学との共同研究体制を整えるに至っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微小管・キネシンをはじめとするモータータンパク質は、細胞運動の根幹を成す分子であり、生物物理学や分子生物学の観点で解明研究が数多く展開されてきたが、運動機能を応用する研究では、分子の小ささに着目した報告がほとんどであった。本研究の手法は架橋した微小管のネットワークでマイクロメートル、ナノニュートンのスケールアップした運動を実現し、有益な応用の道筋として細胞の特徴を動的微小環境下で調べる新しい指標の獲得が期待できるものである。例えば、がん細胞の未知なる転移性を見抜く新技術に発展する可能性を秘めており、医工学的な有益性から社会的意義は大きいと言える。
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