研究課題/領域番号 |
19K12778
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 茂雄 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (20262602)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 電気的筋刺激 / 骨粗鬆症 / 骨質 / 後肢懸垂ラット / 骨粗しょう症 / 骨強度 / コラーゲン架橋 / 骨折予防 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症は、加齢とともに骨密度を減少させ骨折を引き起こすため、高齢者の生活の質を著しく毀損し、健康寿命を短くする。本研究では、単一箇所の電気的筋刺激により全身の骨の力学的強化を促す新しい骨粗鬆症予防・治療法について研究する。同方法は、副作用なしに運動療法と同等以上の骨量維持効果が期待でき、運動が困難な高齢者や寝たきり患者にも適応できる。本研究では、本法の臨床応用のための基礎知見を得るため、1) 刺激箇所から離れた場所の骨の強化効果を調べること、2) 同遠隔効果における神経系の関与を明らかにすること、3) 同骨強化効果における骨コラーゲン架橋の関与を明らかにすることを目的し、動物実験を実施する。
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研究成果の概要 |
電気的筋刺激法は、運動困難な高齢者にとっては有望な非薬物的な骨粗鬆症予防法となり得る。一方で、骨形成が促される対象が、刺激された筋肉が結合している骨に限定されるという課題が存在する。本研究では、ランダム電気的刺激を用いることで、単一箇所の刺激でも遠隔的に骨の力学的特性の維持・向上が可能であること、また、それが骨コラーゲンの架橋の促進により生じることを動物実験と細胞培養実験により明らかにした。この知見は、電気的筋刺激では全身に多数の電極を配置する必要がないことを示しており、同法の臨床応用の実現性を高めることに貢献する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ランダム電気的刺激を用いた場合、単一箇所への刺激だけで遠隔的に骨を刺激することが明らかとなり、この知見は電気的筋刺激による非薬物的骨粗鬆症予防法の実現性を高める上で有益である。また、ランダム電気刺激の遠隔的効果と骨形成を伴わない骨質強化という作用は学術的にも興味深く、骨の物理刺激応答を論じる分野において新たな概念を提示するものである。特に、同刺激が、骨コラーゲンの架橋を促進することで骨質を向上させている効果は、骨形成が起こりにくい骨粗鬆症高齢者において新たな骨折予防法となり得る可能性を有している。
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