研究課題/領域番号 |
19K12783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
西尾 忠 帝京大学, 医学部, 講師 (80401892)
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研究分担者 |
中村 教泰 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10314858)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん / ナノ粒子 / 腫瘍細胞 / 蛍光イメージング / LC-MS / 抗癌剤 / がん細胞 / フローサイトメトリー / アミノ酸 / バイオマテリアル / 膵臓癌 / セラノスティックス |
研究開始時の研究の概要 |
膵臓癌は発見時に患者の約40%において既に他臓器転移がみられ、術後再発率が高い難治性癌である。このため本疾患の早期診断・治療介入は患者の生命予後を大きく左右する。本研究では、有機シリカナノ粒子を精密設計・表面修飾し、膵臓癌の診断と治療を一体化可能な セラノスティックス粒子の開発を行う。作製するナノ粒子は1. アクティブターゲティング能、2. イメージング能、3. 治療用分子を有する。単一粒子に複数の機能を付加することで腫瘍特異的なセラノスティックス粒子を創製し、膵臓癌の早期発見、術前治療を可能とし、患者の生命予後及びQOL向上に貢献する医療ツールの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、癌の診断治療に対して①腫瘍細胞への効率的輸送能、②イメージング能 (蛍光発光)、③治療用薬剤 (抗癌剤) を搭載したナノ粒子を設計・作製し、新規な医療ツール開発に関する基礎検討を行った。有機シリカ及びポリマーをベースに表面修飾して作製したナノ粒子は膵臓癌をはじめとする各種腫瘍細胞に効率良く取り込まれたほか、これらの増殖能や浸潤能を有意に低下させることが可能であった。さらに動物実験において臓器特異的な集積が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では特に多臓器転移や術後再発率の高い膵臓癌をはじめとする各種癌の診断と治療を一体化可能とするナノ粒子を作製し、医療ツールの開発を目指した。作製したナノ粒子はその表面修飾物質の構造の違いにより腫瘍細胞に対する取り込み効率が大きく変化した。また、ナノ粒子に抗癌剤を担持させることで、腫瘍細胞の増殖能や移動能が低下することを確認した。癌は我が国の死因第一位であり、早期診断及び早期介入が患者の生命予後とQOLに大きく影響する。今回得られた結果は癌治療に貢献する一助になることが示唆された。
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